Kanocoさんに、とっておきの手みやげを聞きました
Kanoco
モデル。『リンネル』『SPRiNG』などをはじめとしたファッション誌を中心に広告やMVでも幅広く活躍中。ライフスタイル誌『OZmagazine』のカバーガールを務めるほかアパレルやアクセサリーのコラボレーションなどモデル以外にも活躍の幅を広げている。
自分の琴線に触れた素敵なものをみんなに贈りたい
――本日はインタビューのお時間をいただき、ありがとうございます! Kanocoさんは普段から手みやげを贈る機会は多いんですか?
手みやげを贈ることが日常になっているかもしれません。気がつくと常に贈り物のことを考えていますね。実は、「手みやげフォルダ」も作っていて。
――えっ! 「手みやげフォルダ」って何ですか?
気になった手みやげや贈り物は、「おみや・プレゼント」というタイトルをつけて、携帯にメモをしているんです。美味しくて衝撃だったもの、感動したものは書き留めています。
――気になります、Kanocoさんの「手みやげフォルダ」。どんな手みやげがランクインしているんですか? 手みやげを選ぶ上で重要視していることとは何ですか?
まず、見た目は大事ですね。「人から貰って、ぱっと見た時に、テンションが上がるもの」ということを選ぶ時のひとつの基準にしていて。可愛くて素敵な見た目をしていると、もらったときに嬉しいと思うんです。
そして、味も大事です。自分が食べてみて、味も気に入ったら贈りたくなります。やっぱり美味しいものをあげたいし、もらった人には喜んでほしいですしね。見た目と味の良さ、両方を兼ね備えているものを贈りたいかな。
反対に、値段はあんまり気にしないほうかもしれません。自分用に買うものはかなり出し惜しみするのに、贈り物は喜んでほしいという気持ちが勝ってしまって。高いものでも、ついポーンって買っちゃいます。
あとは、旅行のお土産だったら、作られた場所はチェックします。その場所に行ったら、「その土地でちゃんと作られているかどうか」は大事です。例えば栃木に行って、栃木で売られているお土産が埼玉で作られているものとかありますよね。その土地のものをお土産として贈りたいので、作られた場所は大事です。
――なるほど、かなり吟味されてから選ばれているんですね。どのような機会に素敵な手みやげに出会いますか?
そうですね。お仕事でいろいろなところへ行くので、そのお仕事の時に知ることは多いです。その土地のものを見ると、せっかく来たからには、「東京では買えない、その土地の一番美味しいものを知っておきたい」し、さらに「美味しいものは人に教えてあげたい」と思ってしまって、気がつくとたくさん買いしめています。
そういえば、東京を離れると急にいっぱい買ってしまっているかも。「明日の撮影ではこれを配ろう、明後日の撮影はこれがいいかな」なんて考えながら(笑)。
あとは、手みやげに詳しい方が周りに多いので、教えてもらうことも多いです。でも、みんな良いものを知っているだけに、私から贈るときはかなり悩みます。あまりマニアックなものは好きではない方もなかにはいるかもしれない、そうは言っても、手みやげに詳しい方にはその方でも知らないようなものを教えてあげたら嬉しいだろうし。
でも私自身は、変化球として定番すぎないものをあげたいところがあって(笑)。悩みますね。
――確かに悩みそうです。逆に人から贈られたもので、印象に残っているものはありますか?
ありますね。長野県の松本にある「開運堂」というお店の『白鳥の湖』というソフトクッキーです。一番初めの出会いはインターネットだったんですが、見た目が本当に素敵で一目惚れでした。ひとつ目的があると、どこへでも行っちゃう性格なので、その衝動で長野県の松本まで行きました。ちょうど泊まりたい宿もあったので。
松本に着いて、「よし、次の日に買おう」と思っていたら、松本に住んでいるお知り合いの方から、その日に『白鳥の湖』をいただいて、びっくりしたことがあります。本当に偶然くださったので、「明日買おうと思ってたんです!」ってお話しました(笑)。
「開運堂」の『白鳥の湖』は、クッキーの表面に白鳥が刻印してあるんです。可愛すぎてたまげますよ。口に入れると驚くほど柔らかくて。ほろほろと崩れて、すぐに溶けてしまいます。甘みが一瞬にして口いっぱいに広がって、幸せな気持ちになれます。
――めでたい会社名ですね。「開運堂」って。
そうですね、縁起がいいですよね。ここは女性から圧倒的支持を得ているそうです。『白鳥の湖』も、女子は絶対に好きだと思います。外装のパッケージにもこだわっていて、白鳥のプリントがとても綺麗なんです。何度見ても惚れ惚れしてしまいます。
高級感のあるナッツのカラメリゼ、「粟玄」の 『和洋』
――そんな贈り物好きのKanocoさん。今回、とびきりおすすめの手みやげとして、「粟玄」というお店の『和洋』という商品をご紹介いただきました。この手みやげの魅力を教えていただけますか?
白い和紙に金と銀があしらわれた包装紙にひとつひとつ包まれていて、おめでたい感じの外装が可愛いんです。包みを開くと、アーモンドとパフがカラメリゼされた艶々としたひとかたまりが入っていて、これまた見た目の可愛いさに思わず悶えてしまいます。
味は、コーヒーの苦味と、クリームのほのかな甘み、ナッツの香ばしさが後をひき、手が止まらない美味しさです。『和洋』という名前の通り、和菓子でも洋菓子でもない複雑な美味しさを表現していて。特に歯ごたえがカリカリとしていて癖になる。贈り物としてはもちろん、自分でも買って食べるほど好きです。
甘すぎず、ナッツも入っていて、深みのあるリッチな味わいは、みんなが好きな味かなと。手みやげや差し入れとしても重宝しています。
――話を聞いているだけで美味しそうです。この手みやげとの出会いのきっかけは何だったんですか?
結構最近で、一年前くらいです。『THE HINOKI』というブランドの展示会会場で初めて出会って、美味しすぎてびっくりしたことを覚えています。出してもらったものなのに、「これはどこで買えるんですか?」 って聞いてしまいました(笑)。
売っているのが大阪のお店なので、送料のほうが商品よりも高くなってしまうけれど、ネットで取り寄せて、自分用としても買っています。
――自分用にも買ってしまうほどお好きなんですね。これは普段、誰に贈りますか?
小分けになっていて、食べやすくて、持って帰ることができるので、撮影の現場に持って行ったり、仲の良いスタイリストさんにあげたりします。みんな結構喜んでくれるので、嬉しいです。
食べるということを無理強いはしたくないので、手みやげは「大勢に配ることができるように小分けになっている」ものを選ぶようにしていて。個包装になっていたら甘いものが苦手という方もいるだろうし、持って帰って後で誰かにあげることもできますよね。なるべく迷惑にならないものを選ぶようにしています。
――色々なことを考えて、選ばれていますね。
そうですね、人に贈るときは相手のことを一番に考えます。無理強いになってしまうことは避けたいし、迷惑にならないよう、ちゃんと喜んでもらえるものをあげたいという気持ちがあります。
例えば、賞味期限はいつまでで、いくつ入っているから、この家族構成なら丁度いいかな、とか。いろいろなことを考えます。
レトロな見た目が愛らしい、老舗レストラン「キャンティ」 のレモンクッキー
――今回、もうひとつの手みやげとして、「キャンティ」というレストランのレモンクッキーをご紹介いただきました。この手みやげの魅力を教えていただけますか?
私自身、同じ大きさのものが綺麗に規則的に並んでいるものがすごく好きなので、まずこの見た目が堪らないです。四角くカットされているクッキーが三つ小袋に入っていて。シンプルで、どこか懐かしいような温かみのあるデザインが可愛いです。
クッキーの表面には、甘酸っぱいレモンのクリームがかかっています。サクサクほろほろとした食感に、柑橘系のほどよい酸味がアクセントになって、美味しいんです。
――確かにパッケージもクッキーも、可愛くて見惚れてしまいます。この手みやげとの出会いはいつごろだったんですか?
結構昔だったと思います。「キャンティ」はイタリアンのお店なんですが、初めは飯倉本店に旦那と行きましたね。老舗の有名なお店なので、二人でドキドキしながら。「キャンティ」はご飯もデザートもすごく美味しくて、その時から通っていますね。このレモンクッキーはその帰りに店頭で買いました。本当に美味しくて、ずっと大好きなものです。
――思い出の場所なんですね。「キャンティ」にはよく行かれるんですか?
そうですね。私の中ですごく特別な場所です。自分の性格が閉鎖的だからか、悲しいときや、耐えきれなくなったとき、一人でご飯が食べたくなるんです。そういう時に、「キャンティ」は一人でご飯を食べるために逃げ込むところ。駆け込み寺みたいな感じですね。
黙々と食べ続けて、最終的に食べきれずにお腹いっぱいになって、「一人で来てもあんまり食べられないから、誰かと食べたほうがいいな」と、いつも思いながら帰ります(笑)。
日常的にプレゼントが飛び交っています。
――そんな贈り物好きなKanocoさんですが、手みやげ以外にも贈り物はされますか?
そうですね、誕生日は必須です。毎年、同じものを贈りあっている友達がいます。毎年鞄を贈りあう友人や、食器を贈りあっている友人もいますね。同じものをずっと贈り続けるのっていいなと思って。
それぞれ数年、お互いに贈りあっています。そういう祝いごとでの贈り物は必須です。イベントが好きなので、誕生日だったり記念日だったり、母の日、父の日、クリスマスなど。イベント毎に贈り物を考えます。
――贈り物をしあう方、本当にたくさんいらっしゃるんですね。いつごろから贈り物をすることが好きになったんですか?
そうですね、贈り物仲間はいっぱいいます。みんなたくさんくれるし、私もたくさんあげる。日常的にプレゼントが飛び交っています。子供の頃はそこまで贈り物には興味はなかったので、多分、大人になって素敵なものを知っていったからだと思います。
その素敵なものを共有したい、あげたいと思うようになったのも大人になってから。自分が「これいいな」と思うものが増えてきて、それをあげる機会も増えました。
――なるほど、それにしてもかなりの時間、贈り物のことを考えていそうですね。
プレゼントや手みやげのことを考えている時間は長いと思います。ライフスタイルのひとつになっていて、もうずっと考えている気がします。例えば、これから会う約束をしている人のことを考えて、「あの人はこれが好きだったな」と思うと、会うまでに買って持って行きたくなります。みんなに贈り物をしたい人間なんです。
企画:大崎安芸路(ロースター)
取材・文:天野成実(ロースター)
撮影:栗原大輔(ロースター)