和菓子と洋菓子、いいとこどりのおせんべい
満果惣の「羽衣松風」は、クッキー風の生地でクリームを挟んだおせんべい。香ばしく焼き上げた生地にまろやかなクリームをサンド、そして表面にはすり蜜をあしらっている。
すり蜜というのは、 砂糖と水を煮詰めた白い蜜。別名フォンダンとも呼ばれる。あのフォンダンショコラの表面の白い砂糖飾りのことである。
「羽衣松風」は、生地のクッキー、クリーム、すり蜜が、非常にバランスよく調和している。和洋折衷の良さをうまくMIX、美味しさを実現したスペシャルなおせんべいである。
ギフトにふさわしい気品あるパッケージ
パッケージは、四季の草花に蝶をあしらった典雅なもの。これなら格式が必要とされるお遣い物にもぴったりだ。
製造元の満果惣は、古都鎌倉に本店をかまえるメーカー。「美味」「素材」「魅力」を探求しつつ、国産米100%にこだわった米菓や滋味豊かな和菓子を製造している。
“長寿の象徴” 松をモチーフとした菓子
「羽衣松風」の個包装には、ご覧のように松の絵柄が入っている。松は一年を通じて緑の葉をつける常緑樹で、長寿の象徴として知られている。
「羽衣松風」でクリームを挟んだクッキー生地は、“老松の幹”を表現しているそうだ。そこに軽妙でまろやかなクリームが絡むところに、この商品の旨みがある。
クリームは甘さ控えめである。優しい甘さでスッと溶け、サクッと崩れるクッキー生地と合わせて食べるととても軽やかだ。
それでいて少しほろ苦さもあり、上質な和菓子を食べているという充実感がある。「羽衣松風」は、日本茶はもちろん、紅茶やコーヒーなどに合う以外にも、お抹茶にもよく合いそうだ。お茶事のお茶うけにも使えるお菓子なのである。
優れたセンスを表現できるギフト
「羽衣松風」の表面には、すり蜜が美しく掛けまわしてある。まるで松葉に降り敷いたほのかな白い雪のよう。洋風せんべいのクッキー地は、生地がしっかり厚めのものが多いが、この商品はぐっと軽い口触り。まさに羽衣のような軽やかさである。
俳人、松尾芭蕉が晩年に到達した俳句の境地は「軽み」であるそうだ。「わび」や「さび」などを経て最後に達した理念である。
「羽衣松風」からは、そうした軽みを実現するためにメーカーが吟味してつくった菓子ということが伝わってくる。いまの時代、菓子についてのうるさがたも数多い。そうした人をもうならせる一味抜けたセンスを表現できるギフトが「羽衣松風」である。