江戸の老舗の瓦煎餅
「松崎煎餅」は、江戸時代に創業した銀座の老舗和菓子店である。草加煎餅なども販売しているが、ここで人気を集めているのは瓦煎餅。とりわけ 「江戸瓦 暦」は、江戸の風物が描かれておりユニークかつ愛らしい。
「江戸瓦 暦」の包装紙は、えび茶に米の字や扇子の模様入り。いかにも江戸の小粋なセンスを感じさせる。
名月や鹿、四季の風物にほのぼの気分
瓦煎餅は、うるち米を用いるせんべいやもち米を原料とするあられ・おかきと異なり、小麦粉、卵、砂糖を原料とするせんべいである。平安時代にはすでに作られていたという説もある。
「江戸瓦 暦」という名称は、せんべいの形が江戸の瓦に似ていることから付けられた。そこに一枚一枚季節感たっぷりの絵が添えられているのがこの商品の特徴である。
絵柄は職人が丁寧に手描きしているという。しかも季節によって描くモチーフが変わる。
画像は秋のシリーズで、絵柄は名月や鹿、柿の実など。四季折々の風物を眺めながら食べるとほのぼのと楽しい。
素朴な甘さがクセになる
「江戸瓦 暦」は、良質な卵をふんだんに使用することによって、サクサク、しっとりしたキメの細かい生地を作り出している。
たしかに歯ごたえはサックリしていて、一般的な瓦煎餅のイメージとすこし異なる。8.5cm四方と大判なのだが、お腹にもたれる重さはない。
食べると、瓦煎餅特有の素朴な甘さが感じられる。この落ち着いた甘さはクセになる。和スイーツとして、紅茶やハーブティーにも合わせられるだろう。
また満足感があるので、小腹が空いたときの食事代わりにもなる。贈り物にするだけでなく、自分のためにも取り寄せてみたくなるおせんべいである。