黒胡椒せんべいを初めて作ったメーカー
黒胡椒味のせんべいは、数十年前から日本にすっかり定着している。「煎遊」は、このせんべいを日本で初めて発案、販売したメーカーである。
当初の人気の広がりようは興味深いものだった。口コミでじわじわ注目が集まり、著名人などがテレビで紹介、そのうち誰もが一度は口にしたことがあるせんべいになった。ユニークな品目だけに爆発的なヒットとはいかないが、それ以降も順調に売れ続けている。
一枚食べると次から次に口に運びたくなるところが、このせんべいの不思議な魅力である。
追火焼きでせんべいを焼き上げる
せんべいを考案した「煎遊」は、埼玉県にある創業90余年の老舗米菓メーカー。製造するせんべいは埼玉県が発祥の地である草加せんべいの技術を継いでいる。
せんべいを焼くときは、焼き方にこだわる。香ばしさを実現するために、追火焼きをしているのだ。
まず遠赤外線効果のある石窯でせんべいをじっくり白焼きする。その後、自然冷却で温度を下げる。冷めたら再び強火にして、しっかり表面に焼き色をつける。このように手のこんだ追火焼きによって、焼きたての香ばしさをせんべいに残しているのだ。
トッピングは最高級のブラックペッパー
「黒胡椒せん」は、薄焼きせんべいの上にブラックペッパーをトッピングしている。
このペッパーはマレーシア産を中心とした最高グレードのもの。なるほど、せんべいを噛んだときすぐに辛さがピリッとくる。でも味を損なう辛みではなく、スパイシーさがしっかり焼けたせいべいの旨みをさらにアップさせている。
メーカーでは辛いものが苦手な人のために、「辛さひかえめ 黒胡椒せん」を販売している。刺激ひかえめがいい、という人や、ギフトとして贈るときには試してみたいものだ。