押さえておこう「栄転の意味と栄転祝いのマナー」とは?
栄転という言葉を聞いたことがありますか?またその意味をご存知でしょうか?栄転はビジネスマンにとって一般的におめでたいことですので、お祝いを贈るという場合もあります。こちらでは栄転の説明から正しいお祝いの仕方まで、詳しくご説明していきます。
知っておきたい「栄転の意味」とは?
まずは栄転の意味について詳しくご説明します。会社員として働く上で、いくつか似ている言葉に出会いますので、その違いをしっかり押さえておきましょう。また自分の捉え方次第では、栄転とは言えない場合もあるようです。
■栄転、左遷、昇進、異動、赴任、出向の違いとは
栄転に似ている言葉として、左遷、昇進、異動、赴任、出向があります。まず異動は単純に部署が変わること、昇進は出世して同じ部署内で役職が上がること、というのを押さえておいてください。そして栄転とは、付加価値のつく異動のことを言います。具体的には、出世コースと言われる部署への異動や、昇進して転勤することを指します。
反対に左遷とは、出世コースから外れた部署への異動、僻地への転勤などのことです。赴任は転勤先へ赴くことで、転勤と同じ意味です。ちなみに転勤は勤務地が代わる異動のことです。出向は自分の会社に在籍したまま、別の会社やグループ会社で一定期間就労することをいいます。
■その人の考え方で異なる「異動を栄転と捉えるか左遷と捉えるか」とは
異動というのは、先ほどご説明した通り、部署が変わることです。しかしそれが自分の考え方次第で栄転か左遷か変わってきます。自分が本当に納得し、満足する異動だと思えばそれは栄転となります。反対に、花形と言われるようなみんなの憧れの部署へ異動することになっても、自分が働きにくかったりやりがいを見いだせない部署なのであれば、それは左遷だと捉えてしまうでしょう。
自分が栄誉のあることだと思えれば、その異動は栄転であると言えるのです。
■昔は「左遷以外の異動はすべて栄転」だった
栄転になるかどうかは自分の考え方次第とご説明しましたが、周りの人間からはその人がどう捉えているかはわかりません。そのため年功序列色の濃い昔は、あきらかな左遷でない限り、単なる異動でもとりあえず「栄転おめでとうございます」とお祝いの言葉を述べていました。重大なミスなど以外では、降格したり左遷したりということがめったになかったからなのですね。
左遷なのか出世なのかただの異動なのか区別しにくくなった今は、そのような社交辞令はあまり使わず、新地での活躍を祈るにとどめておく場合が多いようです。
身につけておきたい「異動を栄転と思える3つの価値観」とは?
会社員として、異動を栄転と捉えて働くかか、左遷と捉えて働くか・・・栄転だと思えた方が、仕事に対する意欲も出て気持ち良く働けると思いませんか?そこで異動を命じられた時に栄転だと思えるような価値観を、今から身に付けておきましょう。
■仕事に対する明確な価値観を持っておくこと
働く上で、何を重要視するのかを明確にしておきましょう。多くの人の上に立ち、権力や高給を望む場合は、出世や昇給をともなう異動以外は左遷と捉えることでしょう。しかし、新しい仕事での達成感や自分の技術向上などを最重要視するのであれば、どんな場所へ異動することになっても栄転だと考えられるのではないでしょうか。
■「幸福のイメージ」を家族と共有しておくこと
結婚して家族がいる場合、異動は会社員である本人だけの問題ではありません。たとえ自分はどこに行っても意欲を持って働きたい、新たな部署で挑戦できるのは栄転だと思えても、家族もそう思えるとは限りません。「そんなところに…」とがっかりさせてしまう場合もあるかもしれません。家族と良く話し合い、価値観や捉え方を揃えておくことが大切です。
■打ち込める趣味を見出しておくこと
仕事だけに生活や考えが支配されてしまうのは良くありません。仕事がすべてになってしまうと、やはりそこでの評価というのにこだわり、自分の中で大きいものとなってしまいがちです。他に打ち込める趣味を持ち、心と生活に余裕を持てる自分でいましょう。
知っておこう「他人から見た栄転と左遷の見極め方」とは?
異動に対する自分の捉え方次第で、栄転にも左遷にもなるとご説明しましたが、他人から見たら当人がどう考えているかというのは分かりません。ここでは一般的に、客観的に見てその異動は栄転なのか左遷なのか、見極める方法をご紹介していきます。
■役職が上がったのか下がったのか
分かりやすいのが、役職や階級が上がったか下がったかで判断する方法です。係長から課長へ、課長から部長へ昇進して別の部署に異動するのであれば、それは栄転だといえるでしょう。また本社から支店や地方の営業所に異動するという場合でも、本社にいる時の役職と比べて上がったのであれば栄転といえます。反対に、降格をともなっての異動であれば左遷と捉えられますね。
■不祥事を起こしたり失敗した人が異動する部署かどうか
特に役職に変化がなく異動する場合は、異動先の部署がどういった部署かで判断します。普通の部署であれば単なる人事異動ですが、問題を起こしたり重大なミスを冒したりした人が集められる場所であった場合は、左遷の可能性が高くなるでしょう。リストラ予備軍のためにそういった部署を設けたり、失敗の精神的ショックから立ち直させる目的で、そのような場所を創設したりという例もあるようです。
■本社に戻ってくることができる子会社への転籍なのかどうか
子会社への異動やグループ会社への出向を命ぜられた場合の判断材料としては、本社に戻ってこられるかどうかが1つの目安となります。本社への復帰の道がない場合は左遷の可能性もあります。しかし子会社へ行って昇進するのであれば、本社へ戻る可能性がなくてもそれは栄転といえますね。
子会社への転籍という事実だけで、栄転か左遷か判断するのは難しいといえますので、事実や背景をしっかり確認することが重要になってきます。
押さえておきたい「栄転の場合のお祝いのマナー」とは?
お世話になっている上司や同僚が栄転する場合はお祝いをします。 お祝いの相場や贈るタイミング、贈ってはいけないものや熨斗の書き方など、栄転のお祝いマナーを詳しくご説明していきます。新たな門出となりますので、失礼のないようにお祝いしましょう!
■お祝いと餞別の使い分けとは
餞別とは、転勤や退職などで、その職場を離れる人に餞(はなむけ)として贈られる金一封のことです。基本的に下の立場の人間から上の人へは贈ることはしません。栄転のお祝いは、お世話になっている上司や同僚が栄転する場合に、お祝いの会を開いたり金品を贈ったりすることをいいます。