卒寿はめでたい長寿のお祝い♪
「卒寿」と聞いて、その由来や祝い方などについて詳しく答えられる人は少ないのではないでしょうか。日本には、長寿にまつわる伝統的なお祝いごとがありますが、昨今ではだんだんと受け継ぐ方が少なくなってきているようです。
しかし、卒寿は長寿を祝う素敵なお祝いごとなので出来れば家族みんなで祝ってあげたいですね。今回は、「卒寿は聞いたことはあるけどよくわからない」という方の為に詳しく解説していきたいと思います。
卒寿とは?
■数え年で「90歳」を迎えるときに行うお祝いごと
卒寿の読み方は「そつじゅ」。数え年で90歳となるタイミングで行うお祝いごとです。数え年とは、生まれた年を0歳ではなく1歳とし、以後元旦を迎えるごとに1歳づつ加算するという数え方です。これに対し、生まれた時を0歳とする数え方は「満年齢」と言います。
数え年は、元日から誕生日前日の午後12時までは「満年齢プラス2歳」、それ以降は「満年齢プラス1歳」で計算するとわかりやすいでしょう。卒寿のお祝いは、正式には数え年で行いますが、昨今では満年齢でお祝いすることが多いようです。
■「卒」の略字が卒寿の由来!
卒寿の由来ですが、卒寿の「卒」という字の略字が「卆」で縦読みすると「九十」となる為、そのように呼ばれるようになりました。数ある長寿祝いの中でも、90歳という節目の大切なお祝いとされています。
■卒寿のシンボルカラーは紫色
卒寿のお祝いの色は、紫色。紫色は他の古希などの長寿祝いのシンボルカラーと同じです。所説あり、「90歳でやっと長寿に相応しい年齢になる」と言われていることから、白寿や百寿と同じ「白」という説もあります。
昨今ではそこまで厳密に祝うことも少なくなってきており、ご本人の好きな色や好きなものに関する贈り物をする方が多いようです。
卒寿のお祝いに関するあれこれ
■卒寿のお祝い金の平均予算は1万円~3万円
卒寿のお祝で、子供や孫たちからプレゼントやお祝い金を贈る場合の平均予算です。卒寿をお祝いするお相手が自分から見て「両親」にあたる場合は20,000円~50,000円前後、「祖父母」にあたる場合は10,000円~30,000円前後、「親類」の場合は5,000円~10,000円前後が相場です。
お祝い金を贈る場合の祝儀袋は、水引が紅白・金銀のもの、表書きには、「寿」・「祝卒寿」・「卒寿御祝い」などと書くのが一般的です。
■卒寿のお祝いには向かないプレゼントもある!
卒寿のお祝いでは、「9(苦)」「4(死)」を連想させるような櫛(くし)などのプレゼントは避けた方が良いでしょう。他にも、「踏みつける」ことを連想させる靴などの履きもの、お葬式の香典返しに使われるお茶などの贈り物も同様です。
特に、ご高齢の方は気にされる方が多いのでプレゼント選びは慎重に。快く受け取っていただけるお品物で卒寿のお祝いを盛り上げましょう♪
■卒寿のお祝い返しは家族が中心となって準備を
基本的に卒寿にはお祝い返しの必要がありません。ただ、ご本人がどうしてもお返しをしたいという場合は、90歳という年齢を考えると家族が代理でサポートしてあげるのが良いでしょう。その場合、贈りたいものやお相手の好みを事前に聞いておき、ご本人の意向に沿って準備をすると良いですね。
卒寿を盛り上げる祝い方をご紹介♪
■事前にご本人の欲しいものをリサーチ!
卒寿に贈るプレゼントには、特にこれを贈るのが一般的!というお品物はありません。何気なく欲しいものを聞いておくと良いですね。
また、日々の生活の中で「これがあったら便利そう」とか、好みを考慮した上で「こういうものが似合いそう」などご家族目線で気が付くプレゼントや、趣味に関するものなどを贈るのも良いと思います。家族みんなが集まってのお祝いなら、思い出の写真をアルバムにしたりムービーにして上映するのも盛り上がりそうですね♪
■孫やひ孫からのプレゼントで思わず笑顔溢れる♪
卒寿を迎えるおじいちゃん、おばあちゃんにとって、孫やひ孫の元気な姿を見れるのが一番嬉しいこと。「一緒にお祝いしてもらえるだけで十分嬉しい」という気持ちでいるようです。そんな幸せいっぱいのお祝いの席で孫やひ孫から手紙や似顔絵などの心のこもった手作りのプレゼントをすれば、盛り上がりも最高潮に♡きっと笑顔になっていただけるはずです。
■卒寿祝いでは感謝の気持ちを伝えよう
卒寿のお祝いでは、プレゼントの他に普段は言えない感謝の気持ちを伝えると喜んでいただけます。今まで過ごしてきて楽しかったこと、尊敬していること、好きな所など、感謝の気持ちと一緒に伝えたいことを直接言葉で伝えたり、メッセージカードや手紙を書いて渡すのも良いですね。
ただ、高齢ということもあり、小さい字が見ずらい場合がありますので配慮しましょう。大きなボードに家族みんなからのメッセージを見やすく大きく書いてあげるのも良いですね♪
長寿祝いのルーツを探ろう♪
長寿祝いの起源は、儒教を重んじる中国のもので日本には平安時代に伝わりました。まずは貴族の間で広まり、後に民衆の間でも長寿を祝う習慣が定着したと言われています。長寿祝いは、「長寿にあやかる」という意味を持っており、現在も「これからも健康で長生きしてね」という思いを込めてお祝いします。
贈り物には、シンボルカラーである紫のちゃんちゃんこや、座布団、扇子などを用意するとされていましたが、昨今ではそこまでこだわらず家族みんなが揃って食事をしながらお祝いすることが多いようです。
卒寿の他にもたくさんある長寿祝いをサクっと紹介♪
■【還暦(かんれき)】61歳(満60歳)
還暦とは、60年で干支が一巡して生まれた干支に還ることを意味します。干支の「支」は、よく知られている十二支のことで、「千」は、10種類ある「十千」のこと。この組み合わせが60種類になることから60で干支が一回りするという考え方です。
還暦のお祝いカラーは「赤」。赤は、生まれた干支に戻り、「赤ちゃんに還る」という意味や魔除けの意味があるとされています。赤いちゃんちゃんこや、赤いもの贈って長寿のお祝いをするのが一般的です。
■【古希(こき)】70歳(満69歳)
還暦が数え年で60歳(満61歳)で祝うのに対し、古希は数え年で70歳(満69歳)のタイミングで祝います。古希は、中国の詩人である杜甫(とほ)の詩にある「人生七十古来稀なり」が由来となり、「人の一生は短く、70歳まで生きる人は少ない」という意味。現在は平均寿命も長くなりましたが、昔は70歳まで生きていることは珍しかったのでしょう。古希のお祝いカラーは、卒寿と同じ紫色。紫色は長寿のシンボルカラーです。
■【喜寿(きじゅ)】77歳(満年齢76歳)
数々の長寿祝いが存在する中、喜寿の発祥は日本だとされています。「喜」の草書体が「㐂」となり上部分とした部分を合わせて「七十七」と呼ぶことから数え年の77歳を喜寿のお祝いとするようになったそうです。
喜寿のお祝いカラーは紫色。昔は紫色は高貴な色とされ、地位の高い人しか身に着けられなかったそうです。ご高齢の方々への敬意の意味込めて長寿のお祝いカラーになったとされています。
■【傘寿(さんじゅ)】80歳(満年齢79歳)
傘寿の由来は、「傘」という字の略字が「仐」となり、縦に読むと「八十」に似ていること、傘を広げた様子を「末広がり」に例えたなど諸説あるようです。
傘寿のお祝いカラーは紫色。還暦の赤いちゃんちゃんこや座布団のように、傘寿のお祝いには紫色のちゃんちゃんこや座布団を用意したり、紫色のものを贈るのが一般的。傘寿の「傘」の字をそのままとらえて傘の贈り物をする方も多いようです。
■【米寿(べいじゅ)】88歳(満年齢87歳)
米寿の由来は、「米」という字を分解すると「八」という字がふたつあることから、88歳の長寿祝いとされています。また、末広がりでおめでたいという考え方もあります。昔は、「米のお祝い」とも呼ばれ、米寿を迎える本人が招待客に贈り物をしたいたのだそうです。
米寿のお祝いカラーは金色、もしくは金茶色。これらの色をしたプレゼントや「米」にちなんでお米を贈ることもあるようです。
■【白寿(はくじゅ)】99歳(満98歳)
白寿の由来は、「百」から「一」を引いた字が「白」になることから99歳を迎えるお祝いごととされたようです。100歳まであと一歩。来年も元気にお祝いしたいですね。
白寿のお祝いカラーは文字通り「白」。白は「祝福」や「平和」といっためでたいことをイメージさせます。家族を今まで導いてくれたおじいちゃん、おばあちゃんを尊敬し、身体に負担にならないような場所でお祝いしてあげましょう。
■【百寿(ひゃくじゅ)】100歳(満年齢99歳)
百寿は「ひゃくじゅ」とも「ももじゅ」とも読みます。文字通り100歳を迎える長寿祝いのことを指し、大変喜ばしく、長寿国となった日本の中でもまだ珍しいお祝いです。また、所説ありますが1世紀を生きたという意味から「紀寿(きじゅ)」と呼ばれることもあるのだそう。
百寿のお祝いカラーについては諸説あり、白寿と同じ「白」もしくは、米寿と同じ金色という説、「百」を「もも」と読みピンク色のものを贈る場合もあるようです。
家族揃って卒寿のお祝いしましょう♪
楽しい事も苦しいこともたくさん経験を積んできたおじいちゃん、おばあちゃん。その経験や知識から困った時にアドバイスをもらったり、色々な事を教えてもらったりと、今まで助けられたことも多いのではないでしょうか。ご長寿の助言や説教には説得力と納得感があり、とても勉強になりますよね。
そんなおじいちゃん、おばあちゃんに「ありがとう」の感謝の気持ちと、「これからも元気でいてね」との願いを込めて、家族みんなでお祝いしましょう♪