結納返しのマナーや作法を徹底解説!意味やタイミングに最近の傾向は?

正式な婚約の儀式として両家でとり行う結納。その結納のお返しとして新婦側が行うのが「結納返し」です。マナーや意味はご存知ですか?結納をすることを決めた場合は、日取りや会場の手配を始め、どのような作法で行うのか色々な準備、特に両家でのすり合わせが必要です。その際、結納返しについても、きちんと準備しておく必要があります。地域や家によって考え方やしきたりが異なるため、両家での調整は欠かせません!今回は結納返しについて、あらかじめ知っておきたい正式のマナーや最近のトレンドをご紹介します。

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結納返しって何?その前にまず結納についておさらいしよう

「結納返し」とは「結納」に対する返礼なので、「結納返し」についてお話しする前に、まずは「結納」そのものについて簡単に概要をおさらいしておきましょう。ここでは、「結納」の意味やその由来、歴史についてご紹介します。

婚約したことを公のものにする儀式

結納は、両家が結婚によって結びつくことを祝って、贈り物(=結納品)を取り交わす儀式です。両家の私的な儀式ではあるものの、婚約を公のものとする意味があります。単なる顔合わせより格上の儀式で、これによって両家の絆を深めるという意義も持っています。

仲人を立てて、正式に行うケースもありますが、最近では両家だけで行う略式の結納が増えています。

結納が始まったのはいつ?

結納の歴史は古く、日本で最初に結納が行われたのは、4~5世紀頃、古墳時代と言われています。とは言え、現代のように庶民の間で行われるようになったのは、近代に入ってから。もともと一般庶民は、婚礼の儀式とは無縁で、そうした文化は公家や武家に限られた習わしでした。

江戸時代に入ると、一部の裕福な庶民が武家に倣って婚礼の儀式を行うようになっていきます。結納が庶民の文化として根付くのは、さらにその先の明治時代。古来からの文化ではありますが、長い間、庶民にとっては縁遠いものだったと言えます。

結納の目的は?

結納は、両家での調整や準備、経済的な負担も大きいことから、最近では簡略化したり省略するカップルが増えています。

結婚に対する考え方が多様化した現代では、両家で認識が合えば、儀式はできるだけ省くというのは、1つの選択肢としてアリでしょう。一方で、そうした風潮があるからこそ、結婚への「けじめ」として、敢えて結納を行うというカップルも多いようです。

地域により結納の風習は様々

結納は地域によって、様々な風習があります。結納の作法は、室町時代に武家によって整えられましたが、それが民間に伝わり、もともとの地域の風習と結びついて多様化したと考えられています。

結納の進め方や結納品の内容、品数なども地域によってかなり差がありますので、両家で認識がずれないよう調整しておく必要があります。

結納返しって何だろう?

結納について簡単におさらいした後、ここからは、本題の「結納返し」について解説していきます。そもそも結納返しとはどんな意味を持つのでしょうか。必ずしなければいけないものなのか、どんな風にしたら良いのか、まず結納返しそのものについてご説明しますね。

結納を贈られたお礼としての「お返し」

結納返しは、文字通り結納を贈られたお礼として、お返しするもの。新婦側からの「こちらこそよろしくお願い致します」という意味もこもっています。受け取った結納金の額に応じて、現金を包み、伝統的な「結納返し品」一式を添えて贈るのが正式ですが、最近ではお金の代わりに、新郎が新生活で使える時計やスーツなどを贈るケースも増えています。

「御袴料」って何のこと?

結納返しには「御袴料」(おんはかまりょう)または「御袴地料」(おんはかまじりょう)と呼ばれるものがあります。これは、もともと結納返しのお金が「新郎の袴を買ってください」という意味で贈られていたことに由来します。

これは新郎から新婦に贈られる結納金が、しばしば「小袖料」(こそでりょう)や「御帯料」(おんおびりょう)と呼ばれることと対になっています。本来結納では、新郎から新婦に、婚礼のための帯地や着物地が贈られていました。それが現物ではなく「好みの着物や帯を買ってください」という意味で結納金を渡すようになりました。

着物や帯のお返しだから「袴」なのです。

「御袴料」以外に何が必要?

その他に必要なものは、結納返しの品をリストアップした「目録」や宴席に当てる「酒料」、そして縁起物一式を用意するのが正式です。贈られた結納に合わせることが必須ですよ。格式の高い伝統的な結納を行う場合と、簡略化された場合とは縁起物の数も違ってきます。

結納返しのあれこれ♪返礼のタイミングや作法に金額の相場は?

結納返しの意味がわかったところで、こでは結納返しの基本ルールやマナーについてご紹介します。もちろん、これが絶対ではありませんが、比較的、どこの地方にでも当てはまる正式ルールですので、参考にしてみてください♪

結納返しのタイミングは日を改めてが正式ルール

結納返しは、結納を済ませた後に、別途日取りを決めて行うのが正式ルールです。とはいえ、お互いに忙しかったり、遠方だったりすると、両家が日程を調整して何度も集まるというのは難しいことが多いものです。そうした背景から、結納と結納返しを同日に行うというケースも増えています。

同日の結納返しは合理的ですが、古くからの慣習を重んじる人からは「つき返し」と嫌われる行為なので、検討する場合は、お互いに問題がないか慎重に確認しましょう。

結納返し=「御袴料」+「結納返し品一式セット」

正式な結納返しは、「御袴料」と「結納返し品」一式の組み合わせです。御袴料は、受け取った結納金の金額に応じて、一定額を包みます。結納返し品は伝統的な作法にのっとった縁起物の一式で、地域によって準備すべきものが異なります。現在では、簡略化された一式セットを利用したり、省略することも多いです。

「御袴料」は結納返しのメイン

かつては縁起物を揃える「結納返し品」を贈っていた結納返しですが、現在は「御袴料」がメインになりました。また、現金を包む代りに、品物を贈る人も増えています。もともと結納返しで贈られてた「袴」から転じて、スーツを贈ることも多くありますが、必ずしもこだわる必要はなく、時計やバッグなど、新郎が身に着けられるものが人気です。

結納と結納返しを同時に行う場合はここに注意!

結納返しは、受け取った結納金や結納品に応じてお返しするもの。結納が終わった後に行う場合は、受け取った金額を確認できますが、同日に結納返しを行う時は、そうはいきません。あらかじめ結納金の金額を確認しておくことをおすすめします。

お金のことは聞きづらいものですが、お返しが少なすぎたり多すぎたりする方が、もっと気まずいものです。後々、トラブルになるケースもありますので、あらかじめ確認しておきましょう。新郎の側から、事前に金額を伝えておくと、よりスムーズです。

「結納返し」や「御袴料」の金額の相場はどのくらい?

結納返しをどの程度するかは、地方や各家庭で違いがありいわゆる「相場」と言えるものは無いと言えます。しかし、共通しているのは、受け取った結納品と同程度か、それより控えめにすること。結納返しが結納品より豪華になるのはマナー違反なので、要注意です。また「御袴料」は一般的に、関東では贈られた結納金の半額程度、関西では1割程度が多く見られます。

また現金を贈る場合、金額は4や9などの数字は避け、キリのいい30万円、50万円・・・などが良いでしょう。

地域による結納返しの違いとは?

前項でもご説明しましたが、結納にも結納返しにも地域差があります。ここからは、結納返しの地域差について解説します。大きな区分として、関東式と関西式の違いについてご紹介します。関東とは北海道を含む東日本、関西は関西地方を中心に四国、中国地方です。

実際は更に細かく、例えば九州はまた違ったしきたりがありますし、家による違いもあるのでご注意ください。

結納は「西高東低」の傾向、結納返しは?

結納は一般的に「西高東低」の傾向にあり、関東より関西の方が豪華に行う傾向があります。一方、結納返しについては、関東では受け取った結納品と同額・同格のものを用意しますが、関西では控えめにするのが一般的です。大まかに言うと、関東では男性側と女性側が共に贈り合うのに対し、関西は基本的には男性側のみが贈ります。

女性を家にもらうと言うしきたりの名残でしょう。

関東の半返し・関西の1割返し

結納返しの金額については、関東では贈られた結納金の半額程度を返す「半返し」が一般的です。とはいえ負担が大きいことから、最近は半返しにこだわらないというケースも増えています。関西では1割程度ですが地域によっては結納返しの風習がないところもあります。

また両家の出身地が異なる場合は通常、新郎側のしきたりに従うのが普通ですが、こちらも両家で話し合う必要がありますね。

結納返しをしないパターンとは?

時間的にも経済的にも負担が大きい結納返し。最近はあらかじめ「結納返しはいらない」と新郎側が断るケースも多いようですが、受け取った側は、それでも何かお返しが必要では?と迷うものです。

結納の考え方や方法によっては、あまり気兼ねすることなく結納返しを省略できるパターンもあるので、ここでご紹介します。とはいえ、こうしたパターンも両家の合意があってこそ。事前の調整は欠かせません。

結納金をそのまま2人の「新生活」の準備金に!

もともと結納金とは女性側が結婚の支度に使うというもの。結納金をそのまま新郎新婦の新生活の資金に充てるという趣旨で、結納金も結納返しも省略するというパターンがあります。新生活の準備以外にも、結婚式に新婚旅行と出費がかさみますので、両家の意向が合えば、こうした方法も合理的でしょう。

結納の際に結納返し分を差し引く

結納金の金額から結納返し分をあらかじめ差し引いて贈る、いうパターンも多く見られます。例えば結納金の一般的な相場は100万円ですが、半額の50万円を差し引いた残り50万円を結納金として送り、お返しは無し、とする。この場合、新郎側から新婦側へその旨伝える必要があります。

金品の代わりに記念品を交換する

結納と結納返しは記念品の交換にとどめ、お金のやりとりはしないというパターンもあります。この場合、新郎からは婚約指輪などの貴金属類、新婦からはスーツや時計などが贈られることが多いです。

最近は、タンスの肥やしになってしまいそうな高価な記念品より、普段使いできるような品を交換するという人も多く、より合理的になってきたともいえますね。

結納金を無しにする場合

伝統や慣習を重んじる方もいれば、女性が男性の家に入る、という考え方から生まれた「結納」というしきたりそのものに疑問を感じる方もいるかも知れません。結婚に際し、金銭のやり取りは、と思う方も。それに双方にとって負担になる場合もあるかも知れません。様々な理由で結納を行わない場合は女性側から申し出ましょう。

贈る側の男性から申し出るのはマナー違反です。

結納返しは両家の風習を確認し合って!

結納と同様、結納返しにも様々なパターンがあります。地域や家によって、全く常識が異なることも。何よりも大切なことは、両家で事前にきちんと情報交換し、認識を合わせておくことです。お金が絡むことは口に出しにくいと曖昧にすると、後悔が残ることもありえます。お互い確認しながら準備を進めましょう!

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