知っていますか「お歳暮をいただいた時のお返し」とは?
街がクリスマスムードに染まり始める時期と前後して、オトナが気にしだすのが「お歳暮」。
年賀状のように、誰に何を贈ったか、何をもらったかリストアップしている方も多い事と思います。その一方で、「今年は何にしよう・・・」と頭を悩ませる人も少なくありませんよね。
年末の忙しい時期に差し掛かる前に、なるべく手間が少なくて済むように準備しておきませんか?
確認しておこう「お歳暮のお返しの必要性」?
お歳暮やお中元で最も悩ましいのが「お礼をどうするか」ということではないでしょうか。
通常のお祝いなどとは違うからお返しをしなくてもいいという方もいれば、頂いたんだから何かお返ししなくては、という方もいるでしょう。
お歳暮のお礼というのは、どのようにするべきなのか、見てみましょう。
■お歳暮のお礼として「お返し」は必要なの?
基本は「お礼状を出せば(お礼の連絡を入れれば)OK」なのでお返しは不要です。
ただしケースバイケースなので、必ずお返しをしなくて良い、とも言いきれないのが難しいところです。
目上の方からの頂き物であったりして「やっぱり何かお返ししないと・・・」と思うのであればお礼状の他にお返しを用意すればよいでしょう。
■今後はお歳暮を辞退したい場合の「お返し」とは?
毎年お歳暮をいただいているけれど、相手との関係が変わった場合の「今後のお歳暮の辞退」は、その旨を書き加えた内容でお礼状を送ります。
送られてきた品物を返送するやり方もありますが、これは相手の好意を否定するものです。公務員など『立場上貰うことができない場合』以外は使わない方が良いでしょう。
「今回でお歳暮は最後にしてほしい」という意味合いを含めるのであれば、お礼状を送ったほかに、いただいた品の倍額かそれ以上の品を贈ります。
『倍返し』には「お気持ちは十二分に受け取りました」という肯定的な意味があります。角が立たずにお断りする場合はこの方法を使うと良いでしょう。
「お礼状を贈らず、品物だけを贈ると否定的な意味に転じてしまう」ので要注意です。
■今後はお歳暮を辞退したい場合の「のし紙の表書き」とは?
お歳暮には「今年1年お世話になりました」というお礼の他に、「今後も末永いお付き合いをお願いいたします」という意味も含まれます。
今年だけ贈る場合や今後はお歳暮ではない形でやり取りを考えている場合、あるいはお歳暮自体を贈らないということであればのし紙は「御礼(お礼)」として贈ると良いでしょう。
押さえておきたい「お歳暮のお返しのマナー」とは?
お歳暮のお返しというのは、いろいろと難しいことがあります。ルールやマナーだけでなく、「どの程度相手を知っているか」ということも必要になるためです。
また、お歳暮をいただいた後の対応によって、「あぁ、この人はマナーをよく知っている人なんだ」と株が上がることもあれば、「こんな対応するんだ・・・」とガッカリされることもあるかもしれないのです。
■お歳暮をいただいた時に最初にするべきこと
何を差し置いても、まずは「お礼を伝える」ことを最優先に行いましょう!
お礼を伝える手段として、電話やメールなどを思いつく人は多いでしょう。その場ですぐ、相手にお礼を伝えられるので多用しがちですが、実は電話やメールは「略式」のお礼の仕方なのです。
まず電話で「受け取りました」という連絡をし、その後改めてお礼状をしたためて送ることができれば、オトナとしては及第点でしょう。
■「お返し」をする場合の贈るタイミングとは
お歳暮をいただいて、即日のうちに品物を選んでお返しを贈る・・・一見すると「素早い対応なので良い」ように見えますが、マナーとしては落第点です。
ちょっと見方を変えれば、「お歳暮が届くのを待ってお礼を贈った」「お礼状よりお返しが先に届いた」など、受け取った側がちょっと気分を害するような内容にも見えませんか?
まずお礼状を送り、その後1週間程度の時間をあけて(この間に相手へのお返しを選ぶ)お返しの品が届くようにしましょう。
■お返しに使う「のし紙」の種類と贈る時期で異なる表書き
時期によって、お返しに掛ける「のし紙」の表書き(水引の上に書かれる、贈り物の目的のこと)が「お歳暮」とならない場合があります。
相手に届くのがクリスマス前後くらい(遅くとも仕事納めごろ)であれば「お歳暮」で問題ありません。
年明けの場合は、松の内(1/7まで)であれば「御年賀」「ご挨拶」に、それ以降であれば「寒中見舞い(目上の方の場合は「寒中お伺い」)」として出しましょう。
いずれ場合も「赤白の蝶結び」を使います。
■お歳暮のお返しの品物の選び方
もしお歳暮のお返しを贈るのであれば、どんなものが好適品になるのでしょうか。
相手のところに届く時期も合わせて考えないといけませんよね。年末近くに届くのであれば、お正月に食べる食品などでも良いのですから。
年明けに届くようにするのであれば、選ぶ幅はかなり広がります。あまりに悩みすぎて何にしたら良いのか分からなくなったときは、カタログギフトで相手に品を選んでもらうのもアリですよ。
■お歳暮のお返しとして避けたい品物
頂いた品がとてもいいものだったので、同じものを相手にも贈りたいと思うことがありますよね。しかし、「同じもの(同様のもの)を贈る」のは ”マナー違反” なのです!
本来お返し(お礼)というのは半返しが基本。そこを、『同じくらいの金額で、同じようなものを贈る』ということは、「もう結構です」「贈らないでください」という否定の意味が含まれるのです。
■お歳暮のお返しの品物の金額の目安とは
本来は「お礼」であることを考えれば、お返しの金額は「半返し」、頂いた品物の価格のだいたい半額程度が基本です。
もちろん、手作りの品など相場が分からないものをいただいた場合は「だいたいこのくらいだろう」でOKです♪
押さえておきたい「お礼状の基本的なマナー」とは?
お歳暮をいただいたらお礼の電話(メール)とともに必要になるお礼状。
お歳暮だけでなくお中元でも活躍するお礼状は、『美しい大和言葉』を使えるとステキな文章が書けます。
美しい日本語でなくても、「気持を込めた」お礼状にするコツをお教えします!
■お礼状に込めたい気持ちとは
「お礼状」というくらいなので、お礼の気持ちを込めて書きましょう。
文章が苦手、という方は、文章だけでなく挿絵やデザイン性の高いお礼の言葉を書き加えることでも気持ちを表すことができますよ。
お礼状には「ありがとうございます」「お変わりないでしょうか」「これからもよろしくお願いします」の3つの気持ちが込められていれば大丈夫なのですから♪
■お礼状を出すタイミング
お礼状は、品物を受け取ったらなるべく早く出しましょう。
頂き物が自分たちの好みのものであったならお礼も書きやすいでしょう。もし好みのものでなかった場合でも、「頂いたお礼」はシッカリ伝えなくてはなりません。
若干硬い内容の文章になっても、それはそれで「丁寧にお礼を述べている」ことが伝わりますよ♪
■お礼状は便箋、葉書それともメール?
電話やメールは「略式のお礼」なので、必ずお礼状を出しましょう。
葉書を使うか、便箋(封書)を使うかは意見が分かれるところですが、できれば便箋にお礼をしたためることをオススメします。
相手が親しい友人などの場合であっても、そこはキッチリしましょうね♪
■お礼状の縦書きと横書きの使い分けとその書き方とは
お礼状は「縦書きが基本」です。
しかし、横書きの便箋しかなかったり、葉書であっても横書きにする場合もあることでしょう。もちろん横書きだからと言って略式になることはありませんのでご心配なく♪
同じ文章でも縦書き・横書きで受ける印象が違ってきます。縦書きのほうがより丁寧な印象を与えますが、相手との関係によって使い分けても良いでしょう。
■ 妻が夫に代わって正式なお礼状を書く時の作法とは
ご主人あてのお歳暮に、奥様がお礼状を書く、よくある光景ですね。
その場合、送り主はご主人の名前するのであればご主人の名前の左に ”内” と書き加えます。「内」というのは「家内(家の内のもの)」の略といわれており、「奥様が代筆しました」という表示です。
お子様など、奥様以外の方が代筆した場合は ”代” (代理・代筆の意味)とします。
ご夫婦であれば「内」ではなく連名でも良いですし、ご家族であれば「代」ではなく「外一同」でも良いですね。
ステキなお礼状は気持ちも晴れやかになる
季節感を大切にし、相手を思いやる文面にて「機微に詳しい人」となれることは確実です。
近年では「お中元やお歳暮は、儀礼的な単なるモノの贈り合い」だと考える方も少なくありません。しかし、そこに「想う、贈る」という ”和の心” があることを忘れてはいけません。
モノに込められた気持ちを汲み取る「侘び寂」のわかる、余裕のあるオトナになりましょう!