親族への引き出物は何を贈ろう?
そもそも親族への引き出物って…いるの?いらないの?というところから考えてしまいます。その理由、親族って様々すぎるのです!親、兄弟など生活を共にしている身近なところから、仲良しのいとこ、ほとんど会ったこともない叔父さん(!?)、家族揃って参列してくださるファミリーでも1セット?...など、ほとんどが“例外”と言ってもいいくらいです。
引き出物選びは本当に難しいですが、お二人の気持ちが伝わる記念品を贈れるように、ここを読んでぜひ、参考にしてくださいね。
引き出物とは?
では、最初にそもそも「引き出物」とはなんであるのか、それをご説明します。曖昧なままよりも、お二人できちんと理解された方が選びやすいかと思います。
■結婚式でのゲストからのお祝いに対する「お返しの品」
結婚式や披露宴に出席されるゲストがお祝いをくださいますが、「引き出物」とはそれの“お返しの品”にあたります。お礼と同時に、結婚記念品の意味合いもあり、お礼と感謝の気持ちを託した品物です。
ご参考までに「引き出物」と呼ぶのは当日参列された方にお贈りする品物のみで、別の日にお祝いを頂いた場合は、仮に同じ金額、同じ品物のやり取りでも「内祝」と言います。
■ゲストによって品物を変える「贈り分け」が人気
最近では、ゲストに合わせて引き出物を選んで贈る「贈り分け」が人気です。新郎新婦の細やかな心配りがゲストにも伝わり、喜んでいただけることと思います。
しかしそれだけ選ぶ時間はかかり、また絶対に入れ間違いなどがないように会場への指示や個数の確認は念には念を押さないといけません。あまり大きさに差がないようにするのもポイントです。隣の後輩の袋には大きな箱が入っていたり、あるいは人によって紙袋の大きさまで変えるというのもおかしいですね。かといって、大きな袋に例え高級品でも小さな箱がポツン...というのもまたバランスがよくありません。
このように「贈り分け」は一般的になっていますが、注意点も押さえた上でお二人で選んでいきましょう。
■引き出物の品数は基本は「3品」
昔から、奇数は割り切れないので慶びごとには縁起の良い数字とされています。そのため、引き出物の数は基本は偶数を避け、3品(地域によっては5品)であることが多いのですが、今はそこまでこだわらなくても...とも言われています。
しかし、ご両親が「絶対に奇数であるべき」とおっしゃるかもしれませんので、一応知っておいた方が良いかと思います。
■引き出物の文化は「平安時代」からという声も
では、引き出物の文化はいつ頃から始まったのでしょうか。それは平安時代の中期頃から存在していたと言われています。名前の由来は諸説あり、一つ目は今のこの幸せが長くずっと続く...という「長引く」という意味、二つ目は「引く」には、「配る」という意味がありそこから来ているという説。
そして三つ目は・・・ちょっとビックリするので次の項でご紹介しましょう♪
■引き出物の名前の由来には「馬」が関係していた説が浮上♪
名前の由来三つ目は「馬」です!宴が終わると馬を“引き出して”きてゲストへのお土産に贈ったことから「引き出物」と呼ばれるようになったとか。
つまり平安時代はお祝いのお返しに馬を頂いて帰ったらしいのです。時代が変わって引き出物には実用的な記念品や菓子などが贈られるようになり、その大きさも大きすぎないものや、カタログギフトなどかなりコンパクトになってきました。
それにしても、平安時代には馬をもらってもきても困らなかったのですね。
■一般的なゲストの引き出物の相場は、披露宴の飲食費の3分の1を目安に
一般的に、ゲストに贈る引き出物の金額の相場は、6,000円〜7,000円と言われています。例えばお一人20,000円の飲食費でおもてなしした場合、3分の1でおよそこのくらいの金額が多いようです。
しかしながら、披露宴での飲食費は大人はみんな同じで親族だけ高額なコースということはあり得ませんので、3分の1という目安は親族には関係ありません。
親族への引き出物は両親への事前の相談を!聞いておきたいポイントとは?
では、親族への引き出物は具体的にはどのように決めたら良いのでしょうか?まずはご両親に相談してみましょう。他のゲストと比べ、親族については両親の方がよく知っていることが多いですよ。
■引き出物の価格
これは親族により様々ですが、一般的には7,000円〜15,000円が相場と言われています。メインの引き出物で10,000円、その他引き菓子などで2,000円という配分かと思われますが、これもご両親に相談されることをおすすめします。
もしかしたら、本家の叔父さんはかなり高額なお祝いを包んで来られるかもしれませんし、逆にお返しなどのお気遣いは本当に少しでいいからお祝い金を受け取って..とおっしゃる方もいるかもしれません。ライフスタイルもお付き合いがあまりないと分かりませんので、ここはご両親に相談しながら品物を選ぶようにしましょう。
■品数を何品にするか?
親族には○品!という決まった数はありませんが、一般の方と同じ品数でランクが上の品物にしても構いませんし、同じものに一品二品足してもいいでしょう。
■贈る品の単位
親族は夫婦、またはご家族で出席されることも多いです。その場合、基本的には1家族に1セットの引き出物を贈ります。その理由は、招待状をその世帯に1枚だけ送っており、ご祝儀袋も1つにまとまっていることが多いため、通常は世帯数で考えるからです。
親族への引き出物はこう選ぶ!
では、実際に親族へはどのように引き出物を選んだら良いか、みてみましょう。一般のゲストと比べて準備が複雑に感じますが、基本はお二人からの感謝の気持ち。それを念頭に、あとはしきたりやマナーなどを加味して選べば難しくはありませんよ♪
■ 兄弟への引き出物は親と同世帯なら必要なし
まずは、親には引き出物は不要です。これは、親は資金を提供しホスト側に位置しているからです。また兄弟が未婚の場合も親と同世帯と考え、引き出物は不要です。しかし、兄弟が結婚していて親とは別の世帯を持っている場合は、引き出物は必要になってきます。
整理すると、“招待状を送る”→“ご祝儀を渡す”→“引き出物を贈る”という流れが目安です。ですので、親や未婚の兄弟には招待状を出しませんが、別世帯を持っている兄弟には招待状を出すことになります。
■両親を通じて相手の好みをリサーチしておくと◎
次に新郎新婦の兄弟以外の親族ですが、普段接していない方々は特に、好みや関係があまりわからないことも多いでしょう。またどの程度のお付き合いか、お立場かによって、ご祝儀の予想も変わりますしそれに伴い引き出物の金額も変わりますので、親と相談されることをおすすめします。
この辺りを親に遠慮したり面倒に思い、落ち度があったりすると親が恥ずかしい思いをしてしまったり、親族との関係がギクシャクすることがないとも言えません。
■招待状1枚で1世帯を招待した場合は引き出物も1セットでOK
上の項目でもご説明したように、家族づれで来られた場合でも引き出物は1セットで構いません。ご祝儀も1つの袋にまとまっているはずです。招待状、ご祝儀、引き出物は1つの単位で考えるといいでしょう。
なお、親族と言えども小さなお子さん連れの参列は、ほとんどの方が慣れておらずなかなか大変なものです。お子さんが含まれている場合、例えば小さな子供向けお菓子などをおまけで付けたりすると、子供も喜びそのご両親も温かい気持ちになることでしょう。
引き出物で喜ばれる物、NGな物はなに?
最後に、引き出物に喜ばれるものと逆にあまり喜ばれないものをご紹介しましょう。親と兄弟以外は、親族・一般に関わらずおよそ同じような想いのようです。
また、自分が参列した時はどうか..と客観的に考えてみるのも良いでしょう。
■カタログギフトなど自分の好みで選べるものは好感触♪
最近大人気のカタログギフト。当日はカタログだけを持ち帰るので荷物がコンパクトなのも好評です。そして後日自宅でゆっくりと吟味し、カタログから欲しいものを選ぶことができます。
カタログギフトは、いろいろな金額が用意されていますが、大きさが同じなので贈り分けをしても引き出物の見た目は同じ...というメリットもあります。金額で差をつければ良いのですから、一般ゲストから親族まで決めやすいです。
■実用的なものが喜ばれる秘訣
カタログギフト以外の品物を贈る場合、やはり実用的なものが喜ばれます。サプライズ的な驚きや感動はやや小さくても、ハズすことはありません。総合的にポイントが高いということですね。
例えば、食器ならば電子レンジ対応のシンプルな普段使いのもの、タオル類は形状や使い勝手にあまり差がありませんので、自分では買わないおしゃれなものなどが喜ばれるでしょう。
■持って帰るのに不便な重い物は要注意!
いずれにしても、重さ、大きさには要注意です。一般のゲストに比べ、特に親族は遠方から来られたり年配の方が多いでしょう。食器類は重くなりがちですし、仮に引き菓子も重いものになったりしたら、最寄りの駅まで歩くのも大変になってしまいます。
お住いの場所や年配の方にそのようなものをどうしても贈りたい場合は、宅配便などの心遣いも必要です。また、特に割れやすいものやカバンに詰め込みにくい形状のものもできれば避けましょう。
■新郎新婦の名前入りグッズは使い道に困ることも
一見メモリアルに思える新郎新婦の名前入りグッズ...記念に作るならば親兄弟と祖父母くらいの範囲で共有して思い出にするのがいいでしょう。お二人のご結婚自体は祝福してくださることと思いますが、家族以外の人には新郎新婦の名前が入ったスプーンや食器などは控えた方が無難です。
親族もお付き合いの度合いによりますが、家族以外と考えられた方がいいでしょう。使いにくい...と思われてしまっては残念ですよね。
今後も長いお付き合いが続く親族...素敵な引き出物を選びましょう♡
引き出物選びは大変ですが、新郎新婦の感謝の気持ちを伝える大切な記念品です。特に親族は小さい頃からの成長過程を知っていたり、時には親代わりに面倒を見てくれたり...と特別な関係の方もいらっしゃるかと思います。
なかにはほとんど接点がない方もご招待することもありますが、皆さん親族として一般ゲストよりも高額なご祝儀をくださることが多いです。
親族はこれからも長いお付き合いがありますし、今後は両家の親族とお付き合いすることになります。今までの感謝と今後のよろしくの想いを込めて、引き出物を選んでくださいね。