押さえておこう「各種お祝い金の目安とマナー」とは?
様々なシーンでいただく「お祝い」。なかでもお金(現金)は、マナーさえできていれば贈る側にも貰う側にも利便性が高いものです。
ただし、「現金なんてちょっと品がない」「お金よりも気持ちのこもった品物のほうが良い」と思われる方もいらっしゃいますので、お互いに配慮しながら贈りあえるのがベストですよね。
参考にしたい「お祝い金の目安」とは?
自分と相手との関係にもよりますが、お祝い金は3,000円~30,000円が目安となります。
一生の間に何度もあるお祝いは3,000円~10,000円、一生で一度~数度しかないお祝いは10,000円~30,000円程度を参考に、相手の年齢やお祝いの種類によって変えていくと良いでしょう。
■「出産祝い金」の目安はどの位?
自分の兄弟に子供が生まれた場合の相場は10,000円~30,000円です。あくまでも相場なので、この金額でないといけない、ということはありません。
従兄弟(従姉妹)の場合の目安は3,000円~5,000円、孫の場合は30,000円~100,000円が目安とされています。友人に子供が生まれた場合の目安は5,000円~10,000円ですが、複数人でプレゼントを選ぶなどした場合は、みんなで2,000円ずつ、などということも珍しくないですよ。
■「子供のお祝い(初節句、七五三など)金」の目安とは?
子供の成長はとてもうれしいものですよね。なかでも初節句や七五三など、節目節目で行われる「人生儀礼」を大切にしているご家庭も多いことでしょう。
お食い初めや初節句、七五三などは近親者がお祝いするのが一般的です。金額の相場は、兄弟姉妹の子であれば3,000円~10,000円、祖父母であれば10,000円~が目安となります。
■「入学祝い金」の目安はこんなところ
保育園・幼稚園から大学まで、最も回数が多くお祝いするのが「入学祝」ではないでしょうか。
保育園・幼稚園・小学校の入学のお祝いは3,000円~5,000円、中学校以降のお祝い金は5,000円~20,000円程度が目安です。年齢を考慮して、お金ではなく図書カードなどの商品券や文房具などの品物をお祝いとして渡すケースもあります。
■「成人祝い金」の目安はどの位?
「名実ともに大人」となるお祝いの「成人祝い」は、親や親戚からいただく最後のお祝いとなることもあるお祝い金のひとつですね。
相場は、兄弟姉妹の子供(甥・姪)や兄弟であれば10,000円~30,000円、孫であれば10,000円~100,000円程度が目安です。
品物で贈る場合はアクセサリーや時計など、「社会に出てすぐに使うもの」を贈ると喜ばれますよ。
■「長寿祝い金」の目安とは?
祖父母や両親の長生きのお祝いである「長寿祝い」は、正式には『賀寿(がじゅ)』または『算寿(さんじゅ)』と呼びます。これまで長生きしていることに敬意を表し、これからも長生きしてほしいという願いを込めて贈るお祝いです。
主に身内だけでお祝いし、相場は自分達の親(義父母・実父母・祖父母)に贈る場合は20,000円~30,000円、親戚の場合は5,000円~10,000円が目安です。
■「新築祝い金」の目安はこんなところ
夢のマイホームを手に入れる喜びはひとしおですよね。一生に一度の買い物であるうえ、生活基盤を固めたという意味もあるので、ぜひお祝いしてあげてくださいね。
新築祝いの相場は、親兄弟(姉妹)の場合は30,000円~50,000円、自分の子供(娘や息子)の場合は30,000円~100,000円、友人や同僚などの場合は5,000円~10,000円程度が目安となります。
知っておきたい「お祝い金を贈る場合のマナー」とは?
お祝い金を贈る場合、どんな場合にも共通しているのは「水引は紅白のもの(場合によっては金銀も可)」を使うことです。関東では花結び(蝶結び)の祝儀袋を使いますが、関西のようにどんな場合も結び切りの祝儀袋を使う風習がある地域もありますので、その場合はその地域のマナーにあわせてください。
熨斗(のし=水引の右上にあるひし形に似た形のもの)が付いているものはお祝い用です。ひし形ではなく、ひらがなの「のし」を崩した文字が印刷されているものは略式になりますがこちらもお祝い用です。
■「出産祝い金」を贈る時のマナーとは
本来の出産祝いは「子供を産んだお母さんへの労い」であり、「赤ちゃんが生まれたことへのお祝い」ですので、赤ちゃんの生まれた夫婦宛て、または赤ちゃん宛てに出すことがほとんどです。
出産祝い金を贈る場合は生後1ヶ月程度までに届け、持参する場合は生後3か月くらいまでに訪問すると良いでしょう。
地域にもよりますが、家を継ぐ長子に子供が生まれた場合は、〇〇家に対してのお祝いとして夫婦の両親宛てに出すこともあるようです。夫婦へのお祝いを実家宛てに出すケースも少なくないので、どのような風習があるのか確認しておくと良いですね。
■「子供のお祝い(初節句、七五三など)金」の贈り方
子供のお祝いは数多くあり、それぞれに表書きが異なります。最近では書き方がわからないなどの理由で簡略化して「御祝」とするケースも多いようですが、できれば表書きは書き分けて渡したいものです。
お祝い金は各行事の半月前から前日までに手元に届くように贈るのがベストとされています。持参する場合は当日でも構いませんよ。
子供の成長に関するお祝いの表書き一覧
行事 | 表書き |
---|---|
お七夜(おしちや) | 祝御七夜・酒肴料(お七夜のお祝いに招かれた場合) |
お宮参り | 御祝・初宮参御祝 |
お食い初め | 御初膳御祝 |
初節句(男児) | 初節句御祝・祝御初幟 | 初節句(女児) | 初節句御祝・祝御初雛 |
初誕生 | 祝御誕生・お誕生祝・初誕生日御祝 |
七五三(3歳・男女とも) | 御髪置御祝・賀御髪置(それまで剃っていた髪を伸ばし始めることから) |
七五三(5歳・男児のみ) | 御袴着御祝・賀御袴着(男児は5歳で大人と同じく着物に袴を付けることから) |
七五三(7歳・女児のみ) | 御帯解御祝・賀御帯解(女児は7歳で大人と同じ帯を締めることから) |
■「入学祝い金」を贈る時に気をつけること
新しい生活は何かと物入りです。入学祝い金を贈る場合は、少し早めに贈るのがスマートと言えます。また、文房具などの品物を贈る場合は、品物が被らないように親御さんに相談することをおすすめします。
お祝い金は入学前に届けるのがベストですが、入学後に知った場合はなるべく早く贈り、卒業と入学が重なった場合は入学祝いを優先しましょう。
■「成人祝い金」を贈る時のマナー
成人祝いは成人式の1週間前までに手元に届くように贈るのがスマートです。しかし何らかの理由で成人式に出席しない場合や、成人式以降に成人となる場合などは成人式にこだわらなくても良いでしょう。
「大人の仲間入り」を祝うものなので、子供扱いするのは失礼になりますよ。
■「長寿祝い金」の贈り方
お祝いの宴が開かれる場合は、金品は当日持参するようにしましょう。品物を届けるなど、直接手渡しをしない場合は前日までに手元に届くように贈るとスマートです。
祝儀袋は花結び(蝶結び)が一般的ですが、金銀の水引もオススメです。表書きは「祝〇〇」とし、〇の部分に年齢の呼び名を書くのが良いでしょう。(例:60歳→「祝還暦」)
■「新築祝い金」を贈る時に気をつけること
新築祝いは新居に招かれた際に持参するのが普通です。新居に招かれない場合は新居に引越した後に渡しましょう。表書きは「御新築御祝」とします。
「新築祝い」は一戸建てを新築した場合にのみ使用するもので、中古の一戸建ての購入やマンションの購入、賃貸物件に入居時には「引越し祝い」として渡すのが一般的ですので混同しないように注意が必要です。
知っておきたい「結婚祝い金を贈る場合のマナー」とは?
結婚祝いは人生で最も華やかなお祝いと言っていいでしょう。それだけにこの時の失敗が後々の付き合いに影響する、などということも起こりがちです。
普段とは異なるしきたりが多い婚礼の席ですので、失礼のないように、きちんとマナーを覚えておきましょう。
■結婚祝い金の目安とは
結婚祝いの金額は、どれだけ新郎新婦と近い(親しい)関係かによって異なってきます。
例えば身内(兄弟姉妹)であれば50,000円~100,000円が相場の目安と言われています。従兄弟姉妹や友人知人であれば30,000円程度を目安にすると良いでしょう。夫婦で招かれている場合はだいたい2倍の金額を包みます。
■使う「祝儀袋」の種類と表書きの書き方とは
祝儀袋は必ず「結び切りのあわじ結び(あわび結びとも呼びます)」を使います。これは「人生に1度きり」という意味があり(確かに、何度も結婚離婚を繰り返すのはあまり良いこととは言いませんね)ます。
熨斗がついていて(できれば熨斗あわび付き)、水引は白赤ないし金銀のものが好ましいです。上包みも色付きより白のほうが格が高いとされています。表書きは「寿」とし、できれば旧字体である「壽」のほうが良いでしょう。
■縁起が悪いとされる金額と紙幣の枚数とは
お祝い事なので「切れる」「割れる」といった縁を阻害する言葉や忌み数と呼ばれる凶数は避けるべきです。2や6は「2で割り切れる」ので良くないとされています。また4と9も「死」「苦」を連想させるので婚礼では使わないのが一般的です。
例外として8は「末広がり(漢数字の8は裾が開くため)」として吉数とされています。
どうしても2万円を包む場合、1万円札1枚と5千円札2枚で3枚の紙幣にし、偶数を避けるという方法があります。
■紙幣の新旧と袋に入れる紙幣の方向
お祝いのお金は「新札(ピン札)」にするのが常識です。これは新札を用意するには手間がかかるのとすぐには用意できないため、「前もって用意しました」という意味が込められているからです。
袋に紙幣を入れる場合、袋の表(繋ぎ目のない側)に紙幣の肖像(諭吉さんや一葉さん)が来るように入れます。反対に入れてしまうと不祝儀となってしまいます。「慶びは上を向き、弔いは下を向く」と覚えると間違えないかもしれませんね。
■結婚祝い金を持参する時は「ふくさ」で包んで!
普段は素手で触っている祝儀袋ですが、実は「水引は穢れを払うしめ縄の役割」があり、「白は神聖さが宿る色」とされてきました。
つまり、水引と白の上包みを使った祝儀袋というのは「穢れのない神聖なもの」であり、その中に入れるお金も「清浄なもの」として扱われるのです。
ですから、素手で持ち歩いたり、背広のポケットに入れていくのは失礼にあたります。できれば「ふくさ」で、なければハンカチでも構いませんので「包んで」持っていきましょう。
お祝い金は「お金」だけれど「贈り物」
お金というのは用途が広く、また購入代金として様々なものと交換できる素晴らしいものです。
それを「お祝い」として相手に贈ることは、実は素晴らしいことなのですね。ですが贈り方を間違えるととても失礼にあたり、相手との縁が切れてしまう原因のひとつにもなりかねません。
ぜひ、お金とともに縁が切れてしまわないようにしたいものですね!