押さえておきたい「いただいたお見舞いの御礼のマナー」とは?
入院中のお見舞いというのは、心強いものです。入院生活は退屈なことが多く、お見舞いはそうした入院生活も頑張って乗り切ろうと活(かつ)を入れてくれます。
無事退院、といっても退院時の状況は様々。完全復活の場合もあれば、まだしばらくの安静が必要な場合も。お見舞いの御礼も、退院時の状況によって使い分けたいところです。
また、残念ながら亡くなってしまったということもあります。そういったときには、どのような御礼が良いかご存知でしょうか?
この記事では、お見舞いの御礼をよくあるケース別に解説していきます。その他のお見舞いとして「災害見舞い」と「陣中見舞い」についても紹介していきます。
それでは早速(さっそく)見ていきましょう。
入院見舞いに対する御礼の基本とは?
お見舞いといっても色々なケースがあると紹介しましたが、共通する部分についてはまとめて覚えておきたいですね。
例えば御礼の品物の相場だったり、品物はどんなものが良いかといったところは、基本を押さえましょう。
感謝の気持ちの伝え方についても紹介します。
■御礼の品物の「価格の目安」とは
お見舞いの御礼は、いただいた物の半額程度が目安になります。半額よりも多くなってしまうと、相手が気を遣ってしまうため、半額よりも少し少ない程度でもOK。
逆に、高額のお見舞いをいただくこともあります。また、品物の値段がよくわからないものもありますね。そのときは、相場にこだわりすぎる必要はありません。
あくまでも、感謝の気持ちを伝えることを第一に考えましょう。
■縁起の良い「御礼におすすめの品々」
お見舞いの御礼の品ですが、何でも良いというわけではありません。ケガや病気のお見舞いお返し品は、後に残らないものを選びましょう。
後に残らないとは、ケガや病気が尾を引かないという意味で、商品としてはタオルやチョコレートなどのお菓子が好まれます。
ジャンルでいうと「消耗品」になりますが、水に流すという意味では洗剤なども選ばれています。
■「感謝の気持ちを伝える言葉」を添える方法と
お見舞いの御礼をモノで返すということも大事ですが、それよりもそこに気持ちがこもっているかどうかの方が重要です。
感謝の気持ちは、直接話したり電話で伝えることもできますが、品物にメッセージを添えてお返しをするという方法もあります。
御礼状ですが、長々と書く必要はないので、ご自身の状態の簡単な報告とお見舞いへの感謝の気持ちを伝えられるような文面にアレンジして使いたいところ。
御礼状の文面について、詳しく紹介しているサイトがありますので、御礼状についてもっと詳しく知りたいという方は、下のリンクを参考にしてください。
病気やケガがほぼ完治して退院した時の御礼の方法とは?
病気やケガがすっかり良くなっての退院ほど喜ばしいことはないですね。入院していたご本人もうれしいですし、周りで支えてくれた方にも感謝したい気持ちもでてきますね。
「もうすっかり良くなりました」と状況を伝えることは電話1本でもできるかもしれませんが、やはりここは感謝の気持ちをマナーを守って伝えることが大事。
退院してうれしい気持ちもわかりますが、いったん落ち着いて礼儀を重んじた御礼をしましょう。
■御礼の品物を贈る時に使う掛け紙の種類と表書き
ケガや病気が良くなっての退院の場合、掛け紙はのしの付いた紅白の結び切りを使用します。表書きで多く書かれているのは、「快気祝い」です。
なかにはすっかり良くなって退院される方もいますね。その場合は、「全快祝い」と表書きしても良いです。
「快気祝い」は退院の報告でよく使われている表書きですが、回復具合に合わせて「全快祝い」と使い分けると、どの程度良くなったのかが相手もわかります。
■御礼をするタイミングとは
御礼は退院後から10日後までが、一般的です。
ですが、ほぼ完治してからの退院だと、退院してすぐ御礼をしても全く問題ありません。そうすることで、「すぐ連絡をしてくれるほど回復したのだな」と相手も安心です。
病気が完治していないが退院して自宅療養をする時の御礼の方法とは?
退院はできたけれど、まだしばらくは自宅安静。こちらもよくあることです。
「退院したのだから、退院の報告をしなければ」と考えてしまいますが、全快のときとはその御礼の仕方も若干(じゃっかん)異なるもの。
退院はできたけれど、自宅療養を行うということをさりげなく伝えるコツをお伝えします。
■「お見舞いに対する感謝の気持ち」を伝える方法とは
感謝の気持ちは御礼状で伝えることができます。ここで注意したいのが、「重ね言葉」は使わないようにするということです。
よく使いがちな「ますます」「再び」「次々」などは、ケガや病気を繰り返すということを連想させてしまいます。
御礼状で重ね言葉を避けるということを、気をつけたいですね。
■御礼に品物を贈る時に使う掛け紙の種類と表書き
掛け紙は、ほぼ完治した時と同じく紅白の結び切りを使います。表書きは「快気内祝い」とします。
結婚などを例に挙げると、「結婚内祝い」というのはご本人から周りの方への御礼を指し、「結婚祝い」は周りの方からのお祝いのことをいいますよね。
ところが「快気祝い」や「快気内祝い」は、どちらもご本人からお見舞いをいただいた方への御礼を指します。「快気祝い」と「快気内祝い」は、ご本人のケガや病気の状態で使い分けます。
まだ療養が必要なときは、「快気内祝い」と表書きしましょう。
■御礼をするタイミングとは
快気内祝いとする場合は、状態が良いとはいえないということなので、ほぼ治ったときと比べて御礼は少し遅めでも大丈夫です。
具体的には、退院して1ヶ月以内に御礼を行いたいですね。ただ、体調があまりすぐれないときは無理をせず、退院の報告だけは行うようにしましょう。
報告がないと、まだ入院していると思いお見舞いに来てしまった、ということも考えられます。
お見舞いをいただいたのに長期入院になってしまう時の御礼の方法とは?
お見舞いに来てくれたけれど、その後も長期入院になってしまう、ということも十分起こりえます。長期入院となると、周りの方も心配してしまいますね。
長期の治療となると、ご自身も気が滅入(めい)ってしまうこともありますが、お見舞いへの御礼は忘れずに行いたいところ。
ここでは、長期入院の際の御礼の仕方について紹介します。
■「お見舞いに対する感謝の気持ち」を伝える方法とは
お見舞いに来ていただいたけれども、入院が長引きそうだ。そういうときの御礼は、どのようにしたら良いのでしょうか。
その場合は、お見舞いの御礼と共に病状の報告を行うと良いです。報告を行うことで、相手も状態がわかり、一安心することができます。
■御礼に品物を贈る時に使う掛け紙の種類と表書き
快気祝い、快気内祝いと同じく紅白の結び切りを使います。表書きは「御見舞御礼」とします。
ここで「快気祝い」と書いてしまうと、相手に「もう退院しました」と報告をすることになってしまうので、注意しましょう。
■御礼をするタイミングとは
御見舞御礼として御礼をするということは、入院中であるということでもあるのでご本人が御礼をするということはなかなか難しいこと。
快気内祝いと同じく、体調と相談しながらの御礼ということで相手も納得できます。御礼をしようと体調を崩(くず)してしまっては、元も子もありません。
お見舞いをいただいたのに残念ながら亡くなってしまった時の御礼の方法とは?
入院しても必ず良くなるかといえば、そうではないこともあります。治療は頑張ったけれど、残念ながら亡くなってしまった、ということはご本人だけでなく見守っていた方もつらいもの。
その場合はご本人に代わってお見舞いの御礼ができるようにしましょう。これまで紹介してきた御礼とは、また違う部分があります。
その御礼も、マナーに沿って行いたいところですね。
■御礼に品物を贈る時に使う掛け紙の種類と表書き
表書きは「御見舞御礼」を用います。掛け紙は、白黒の結び切り、または無地短冊を使います。
掛け紙は、今まで見てきた快気祝いなどとは異なるので注意しましょう。
表書きが「御見舞御礼」で、入院治療が長引くときと同じ表書きになりますが、こちらは掛け紙で区別することができます。
■御礼をするタイミングとは
亡くなられたということで、その後は法要(ほうよう)が行われます。
四九日(しじゅうくにち)の忌明(きあ)け後に御礼を行うのが、一般的です。
「その他のお見舞い」に対する御礼の方法とは?
ここまでは、主に入院時のお見舞いに対する御礼というケースを見てきました。次に紹介するのは、「災害見舞い」と「陣中見舞い」に対する御礼についてです。
陣中見舞いという言葉はあまり聞きなれないという方も多いです。気になる御礼についても解説していきます。
■災害見舞いに対する御礼の方法とは
地震や台風、火事など日本は災害が多い国でもあります。そのような災害に遭われた方へのお見舞いは、励みになるものです。
災害見舞いへのお返しは不要とされていますが、御礼状は必要です。御礼状を送るためにも、お見舞いをしていただいた方の名前と住所などを把握しておくと、後々役に立ちます。
御礼状では、感謝の気持ちを伝えるとともに、今後の見通しも伝えたいところですね。
■陣中見舞いに対する御礼の方法とは
陣中見舞いとは、スポーツの合宿などに飲食物を配ることなどをいいます。この場合もお返しは不要ですが、御礼状が必要です。試合や練習の成果を報告し、御礼の言葉を添えましょう。
選挙の陣中見舞いというのもありますが、こちらは公職選挙法に違反しないように細心の注意が必要です。金銭の寄附は認められていても、飲食物の提供は禁止されています。
また金額にも上限があるため、なにが大丈夫なのかを慎重に見極める必要があります。
公職選挙法では、陣中見舞いへのお返しは禁止されています。お返しをしてしまうと、マナー違反どころか法律違反になってしまうので、その点を理解しながらの応援が喜ばれます。
感謝の気持ちをこめて御礼をしたい
退院したときの状態で、表書きや御礼をするタイミングも異なってきますね。また、災害見舞いや陣中見舞いについても見てきました。
それぞれに共通することは、感謝の気持ちを忘れないということです。お返しの品を吟味(ぎんみ)することも大切ですが、メッセージを添えるなどの工夫も行いたいですね。