米寿って知ってる?
米寿(べいじゅ)祝いとは何なのかご存知ですか?「寿」「祝い」と付くからお祝い事、良い事だというのは想像が付きますが、具体的には何を指すのでしょうか。
米寿というのは長寿祝い、長生きをしている事に対するお祝いの1つです。
米寿について、一緒に詳しく見ていきましょう。
米寿とは?
米寿とは歳のお祝いを指します。江戸時代の平均寿命は45歳前後だったので、60歳でも十分に「長生き」でした。
長く生きている人のことを「生き字引」というのを聞いたことはありませんか。長生き=「様々な知恵や知識を蓄えた人」という意味で、長寿の人は尊敬の対象でもあったのです。
■数え年で88歳を迎えること
米寿とは、「数え年」で88歳を迎えることを指します。
「数え年」というのは「生まれた時点で1歳(0歳がない)」で、誕生日に関係なく12/31の夜に歳が1つ増える数え方です。
極端な例を挙げれば、12/30生まれの子は生まれたその日で1歳、翌日の12/31の夜にはもう1つ歳をとって2歳になるという考え方をします。そのため、最大で実年齢+2歳のズレが生じます。
■米寿の由来には「米」が関係していた!
88歳はどうして「米寿」なのでしょう。それは、漢字に当てはめると良くわかります。
漢字で88歳を書くと、「八十八」となりますね。この漢数字をくっつけて書くと「米」という字になるという説、お米の生育には88回もの手間がかかることから、年齢とかけて「米」の字を使うなど諸説あります。
■88歳を祝う米寿は末広がりで縁起も◎
漢数字で「八」といえば、「末広がりで縁起が良い」と言われますね。
末広がりとは、上部が狭く、下部に向かって広がっていくこと。
「末」、すなわち末裔がどんどん増えて繁栄していくことを連想することから「家が栄える」、縁起が良いと言われます。
■黄色と金色がシンボルカラー
長寿のお祝いには、年齢ごとに「シンボルカラー」と呼ばれるイメージカラーがあります。米寿の場合は黄色や金色です。
米寿が「米」という字を使っていることから、お米と聞いて連想するのは米俵。米俵は黄色の稲わらに包まれていますよね。
またお米の穂(稲穂や秋の田んぼ)は「黄金色(こがねいろ)」という表現がありますね。これらの事柄からこの色がシンボルとなっているようです。
米寿祝いのマナー
お祝いと言っても、祝われる方はご高齢。若い時のようにいろいろなサプライズやイベントを仕掛けるよりも、家族などアットホームに過ごす時間を設けるほうが良いでしょう。
食事を取り寄せたり、オードブルを頼むなどして、慣れた自宅で「ちょっと特別な時間を過ごす」のもオススメですし、「近場の温泉で日帰り宴会」というのも良いでしょう。
一番大切なのは「祝われる方が疲れてしまわないようにすること」です。
■「お茶」と「櫛」の贈り物は避けて!
お祝いなのだから、何かプレゼントを、と考えるのは当然ですね。
年齢が高くなってくると、俗にいう「お迎え」を意識する方も多くなってきます。ですからお祝いと言っても、そういったことが気になるようなプレゼントはNGです。
例えば、「お茶」。特に緑茶は「弔事の返礼品としてよく使われる」ことから「死」を連想されやすくなります。
「櫛」も「苦」「死」などの語呂合わせを連想しやすいので避けましょう。
■お祝いの平均予算は1~3万円
祝いを品物で渡す場合でも、お金で渡す場合でも、相場は1万円~3万円程度です。
金額の幅が大きいのは、「祝われる人と自分との関係によるため」です。子ども(自分の親を祝う場合)であれば3万円程度、ひ孫(ひいお婆ちゃん・ひいお爺ちゃんを祝う場合)や親戚であれば1万円程度、などとなります。
『自分と相手(お祝いを受ける人)との関係がどのようなものであるか』『お祝いをする側(自分側)の年代がどのあたり(何歳くらい)なのか』によって、金額の上下幅は更に広がることもありますので、目安というよりは参考程度にしておくのが良いでしょう。
また、みんなで会食するから会費制といったことや旅行代を人数割りするなど、金額は皆で相談すると良いですね。
■お祝いの日取りはご本人の体調を考慮!
みんなでお祝いすることを決めたけれど、前日や当日になって本人の体調がすぐれない、ということも起こります。その場合は迷わず「体調の良い日に変更」しましょう。
ご高齢ですから「絶対この日に!」というようなことはせず、日程や内容に余裕をもたせることが重要です。
米寿祝いがより盛り上がるポイントを紹介!
お祝いですから、「祝われる人に喜んでもらいたい」と思いますよね。そのためには、どんなことに注意したらよいのでしょう。
前々から「この日にお祝いするよ」と伝えておいても良いですし、内緒にしておいてみんな揃ったところで「実はね、」と打ち明けるのも良いでしょう。
その方が「何に幸せ・嬉しさを感じるか」が大切ですよ!
■当日は家族そろってのお祝いがベスト♪
それぞれに家庭を持つようになるとなかなか行き来しなくなるということも多いでしょうから、お祝いを口実にみんなで集まりましょう。
ある程度御年を召してくると、「みんなの顔が見られるだけで十分」という方も増えてきます。多少ケンカがちであっても、この日だけは笑顔で過ごせるように努力しましょうね♪
■孫からの手紙は宝物に!
お孫さんや曾孫さんなど「小さな天使」からのお手紙や絵などは特に心に響きやすいようです。
これは年齢に関わらず言えることで、お孫さんが保育園でも中学生でも喜んでくださる方がほとんど。絵心がない、という場合はプロに頼むなどして用意しても良いですね。
■ご本人の趣味に合う贈り物を
お爺ちゃん・お婆ちゃんと離れて暮らしていると、「趣味嗜好」というのは把握が難しいかもしれません。
お祝いをするとなったら、それとなく普段の生活を聞き出すなどして探りを入れてみましょう(笑)
意外なものが好きなことが発覚するかもしれませんよ!
■「食事会」や「旅行」などの思い出のプレゼントも◎
体調がそれほど悪いわけではない、歩くことも十分できるという方であれば、家族旅行などは「特別感」が出しやすくオススメです。
また、みんな揃っての外食や自宅での食事会などは、体調が優れなかったらすぐに帰ったり横になったりできるので、体力に自信がない場合でも楽しめますね。
■贈り物には感謝の言葉を添えて!
贈り物を渡す際には、「長生きしてくれてありがとう」「またいろいろな話を聞かせてね」など、本人が「嬉しい」「もっと頑張ろう(長生きしよう)」と前向きになれるような言葉を添えましょう。
こっ恥ずかしくて言えないよ!という場合はメッセージカードでも良いです。(メッセージは形が残るので、文面はよく考えてくださいね♪)
長生きは人生の目標!米寿以降の長寿祝いは?
米寿のお祝いから後は、10年に2回程度(それも連続して)の頻度でお祝いが続くことがあります。
88歳より後の長寿のお祝いの一部をご紹介しますので、「次は〇〇歳のお祝いだね、楽しみにしてるよ」など声掛けの参考にしていただければ幸いです。
■まだまだ元気な90歳の「卒寿」
卒寿(そつじゅ)の「卒」は、略字を「卆」と書きます。よーく見ると、「九十」に見えませんか?
この漢字をもとに、90歳のお祝いは「卒寿」と呼ばれます。米寿から2年ですから、ぜひここを目指して長生きしていただきたいものですね。
■大台目前!99歳の「白寿」
米寿から約10年後の白寿(はくじゅ)。漢数字の「百」から「一」を引くと「白」になることから、100歳の1歳手前ということで「白寿」と呼ばれます。
「来年は100の大台だね」という声掛けとともに、「120歳の大還暦まで頑張ろう♪」と思ってもらえるようだと良いですね。
■記念すべき100歳の「百寿」
「100年を生きた」という特別なお祝いの百寿(ひゃくじゅ・ももじゅ)。「一世紀=100年」であることから「紀寿(きじゅ)」とも呼ばれます。
海外では、100歳以上の方を『Centenarian(センテネリアン)』と呼びます。century(1世紀)を生きた人、という意味です。110歳以上の場合は『Super Centenarian(スーパーセンテネリアン)』と呼ぶのだそうですよ!
■いつまでも元気でいて欲しい!108歳の「茶寿」
108と言えば、日本人にはなじみのある数字ですよね。ピンときませんか?
除夜の鐘は108つ。人間の煩悩の数と言われる数字です。煩悩がなくなる歳です、というのは冗談で、実際は下記のようないわれがあります。
「茶」の字は草冠の部分が二十を表し(古くは十が横並びに2つ[十十]と書いた)、下の部分を「米」の字の変形と見立て、全部を足すと20+88=108だから
という「新しい長寿のお祝いの歳」として認知されています。
家族そろって米寿のお祝いを♪
ちょっとしたトリビアを混ぜつつ、米寿についてご紹介しました。
祝う側にも祝われる側にも言えることですが、何歳になっても、「お祝い」は嬉しいものです。
人生において、『終焉が近くなると、人間はそれまでに手に入れたものをひとつひとつ手放し、生まれたときと同じように「何も持たず」に別世に戻っていく』と言われます。
例え記憶を手放していても、あなたが触れた温もりは確実に伝わっています。
たとえ音が聞こえなくなっていても、あなたの気持ちはそのほかの感覚を通して相手に伝わります。
全力で、お祝いして差し上げてくださいね!