知っていますか?相手や自分が喪中の時の「寒中見舞い」の使い方
寒中見舞いはお年賀を出しそびれたときに使うものだと思っている方、実はそれ以外にも寒中見舞いを使うことがあるのです!
今回は喪中の場合における、季節の挨拶状としての「寒中見舞い」を取り上げてみます。
知っておきたい「寒中見舞いの基本」とは
寒中見舞いとは「季節の挨拶状の1つ」です。近年では「遅れた年賀状の返事」や「喪中欠礼状の代わり」といった用途でも使われるようになりました。
挨拶状としては「寒さによる体調の変化を気遣う」、年賀状の返事としては「近況報告」、喪中礼状の代わりとしては「お詫び状」という意味合いも持つようになっています。
■寒中見舞いの本来の意味は「時候の挨拶」
寒中見舞いは字の通り、「寒い季節中のお見舞い」=最も寒い時期に寒さにより体調を崩していないか尋ねる挨拶状、のことです。
寒いですけどお変わりありませんか、風邪などひいていませんか、というお便りなのです。
■寒中見舞いが役立つ7つのケースとは
寒中見舞いは用途が広く、さまざなまケースで代用品として使うことができます。
1.季節の挨拶状(本来の用途)として
2.喪中に年賀状を送ってしまったお詫び状として
3.喪中における年始の挨拶状(年賀状の代わり)として
4.年賀状の返事(喪中を知らなかった人からの年賀状に対して)として
5.故人宛てに届いた年賀状の返事として
6.喪中欠礼状の代わりとして
7.寒中見舞いの品(寒中伺いの品)につけるお便りとして
■寒中見舞いを出す時期とは
寒中見舞いは「お正月明け」から「立春までの間」が投函時期です。
厳密に●日から●日までと決められているわけではないのですが、だいたい松の内明けから節分前日までと言われています。
松の内とは「松飾り(=門松)を飾っている間」のこと。一般には1/7までを指しますが、地域によっては小正月の1/15までを松の内としている場合もあります。
立春とは「暦の上で春になる日」のこと、この日以降はどんなに寒くても「春」です。寒中見舞いは「冬の便り」なので、立春を過ぎると出せなくなります。
■寒中見舞いで気をつけたい注意点
寒中見舞いを「季節の挨拶状」として出すか、「喪中の挨拶状」として出すかによって、気を付けるべき点が異なります。
【共通すること】
・季節の挨拶状なので、イラストは春を待ち望むものであること
・封書であれ葉書であれ、原則は構成を守ること
【喪中の寒中見舞いで気を付けるべきこと】
・お祝いをイメージするものは使わない(イラスト・言葉)
・華やかな色合いを避ける(お祝いの印象を与えないため)
■寒中見舞いの基本的な文章構成
寒中見舞いは、季節の挨拶の場合も喪中の挨拶の場合でも基本的な構成は同じです。
部分的に「お詫びの文章」が追加されたり、文面の一部を「喪中であるお知らせ」に差し替えたりする程度です。
『前文』季節の挨拶(定型文/オリジナル)
『本文』相手の安否を尋ねる言葉、年賀状のお礼、欠礼のお詫び、永眠のお知らせなど
『末文』相手の健康を願う言葉、結びの言葉
という組み合わせになります。
参考にしたい!喪中のケース別の「寒中見舞い」の文例とは
喪中の場合は「お祝い事を控えるのが習わし」ですよね。
年賀状や年始は「(新年明けまして)おめでとうございます」と挨拶するため、喪中は年始の挨拶は控えるものとされています。
その為、「間違って送っちゃった!」「知らないで送ってしまった」「実は亡くなっていた」等の場合、寒中見舞いで返事が来たり、お詫び状も兼ねて寒中見舞いを出したりするのです。
■喪に服している相手に年頭の挨拶として送る「寒中見舞い」の文例
喪に服している相手の場合、たいていは「喪中欠礼状(喪中はがき/欠礼はがき)」と呼ばれる「コチラからは年始の挨拶状は出しませんよ」というお知らせのハガキが届いていますよね。年賀状は出すのを控えるのが一般的です。
それでも年頭の挨拶をしたい場合は、お祝いを表す言葉が含まれない文面で寒中見舞いを出すことができます。投函時期は松が取れてからです。
※目上の方には「見舞い」は失礼にあたるので「伺い」とするのが礼儀です
年始のご挨拶は喪中のことと存じ遠慮させていただきましたが 皆様いかがおすごしでしょうかご案じ申し上げます
寒さもこれからが本番ですが どうかお元気で乗り切られますよう心からお祈りいたしております
平成〇〇年一月
[差出人住所氏名]
寒中お伺い申し上げます
ご服喪中と存じ年頭のご挨拶をご遠慮させていただきました
ご家族の皆様には悲しみもひとしおと拝察いたします
どうかお力落としされませんようご自愛下さい
本年も何卒よろしくお願い申し上げます
平成〇〇〇年一月
[差出人住所氏名]
■喪中とは知らずに年賀状を出してしまった時のお詫びとして送る「寒中見舞い」の文例
「喪中欠礼状」を頂いておらず、喪中であることを知らずに年賀状を出してしまった場合は、年賀状とは別に「寒中見舞い」を出し、年賀状を出してしまったことをお詫びします。
本来は関係者すべてに喪中欠礼状を出すものなのですが、最近では喪中欠礼状を出さない家庭も多くなりました。そのため、「喪中だと知らなかった」ということがたびたび発生します。
先日はお義母様の喪中を存じあげずに年賀状をお送りし 大変失礼いたしました
ご家族の皆様にも心よりお詫び申し上げます
まだまだ寒い日が続きますので皆様どうぞお体をお大事になさってください
平成◯◯年一月◯日
[差出人住所氏名]
寒中お見舞い申し上げます
ご無沙汰ばかりでご服喪中とは存じ上げず
お年始のごあいさつを差し上げてしまい 誠に申し訳ございません
大変遅ればせながら 心からお悔やみ申し上げます
お母様にお目にかかりましたときの あの優しい笑顔が思い浮かびます
○○様が どれほどお寂しい年始をお迎えだったかを拝察いたしますと胸が痛みます
どうかお気持ちを強く持って ご自愛専一にお過ごしください
二○○○年 一月○日
[差出人住所氏名]
■喪中とは知らずに年賀状をいただいた相手に返事として送る「寒中見舞い」の文例
喪中欠礼状の出し漏れ等により年賀状が届いた場合、寒中見舞いで「年賀状のお礼」と「喪中であることのお知らせ」を行います。
この場合、「お礼状」と「お詫び状」の2つの役割を兼ねることになるので、文章の構成に注意をしなくてはなりません。
※年賀状は「賀=お祝い」という意味が含まれるので、「お年始状」「年頭の挨拶」などに言い換えるのが鉄則です
早々のお年始状ありがとうございました
昨年 私どもの父が亡くなり 新年のご挨拶を控えさせていただきました
欠礼のお知らせも申し上げず大変失礼いたしました
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます
平成◯◯年一月◯日
[差出人住所氏名]
寒中お見舞い申し上げます
早々にご丁寧なお年始状をいただきまして有難うございました
皆様ご健勝でお過ごしとのご様子 なによりとお喜び申し上げます
私方 昨年○月に父○○が急逝いたしましたため
年末年始のご挨拶を遠慮させていただきました
旧年中にお知らせ申し上げるべきところ
年を越してしまいましたご無礼の段 何卒ご容赦願います
本年も皆様にとりまして良いお年でありますよう
心よりお祈りいたしております
平成〇〇〇年 一月
[差出人住所氏名]
■故人となった身内に年賀状をいただいた相手に返事として送る「寒中見舞い」の文例
交友関係を把握していなかったなどの理由で喪中欠礼状を出し漏らし、故人あてに年賀状が届くことがあります。年の瀬近くに亡くなった場合などは喪中欠礼状が間に合わないこともありますね。
こういった場合にも「寒中見舞い」が活躍します。
(亡くなった方との)これまでのお付き合いに感謝し、年賀状をいただいたお礼を伝え、亡くなった旨を伝え、喪中欠礼状を出しそびれたお詫びをするという4つの役割を担います。
ご丁寧なお年始状をいただき ありがたく存じます
夫○○こと (長らく病床におりましたが)昨年○月○日他界いたしました
ご通知が遅れましたこと 深くお詫び申し上げます
故人になり代わり 生前に賜りましたご厚誼に対しまして心より御礼申し上げます
平成○年 1月 ○日 妻 △
寒中お見舞い申し上げます
年初にはご丁寧な年頭のご挨拶を賜り 大変ありがとうございました
父○○○○(←お父様のお名前)は○年前に逝去致しました
早速ご連絡申し上げるべき処でございましたが ご通知の不手際 どうぞご容赦下さいようお願い申し上げます
生前のご厚情に感謝致すと共に □□様始めご家族の皆様がご健勝でありますよう心よりお祈り申し上げます
どうもありがとうございました
寒さ厳しき折柄 ご自愛下さいませ
〇〇〇〇年1月○日 長男 △△
■喪中に使う「寒中見舞い」の文例が豊富なおすすめサイトはココ
全文が載っているサイトの文例を参考に一部をアレンジするのも良いですし、短い文例が多いサイトを参考に自分なりの文章を作るのもオススメですが、慣れないうちは一部だけをアレンジするほうがミスなく文章を構成できるでしょう。
幾つか見ているうちに「この表現を使いたい」と思うようなしっくりくる文例が見つかるものですよ。
状況に合わせた「寒中見舞い」を書き上げよう
年賀状を書いている方であれば、寒中見舞いはそれほど苦もなく書けることでしょう。年賀状と同じように定型句が多く、手紙のようなオリジナルの文章は少ないからです。
使うハガキの色や便箋の色柄によって、文章の印象はかなり違ってきます。ですから葉書の場合と封書の場合では、文面のボリュームや改行の位置を変更・考慮する必要がありますよ。
試しに1枚、寒中見舞いを書いてみませんか?