押さえておこう「お見舞いの手紙を書く時のマナーと注意点」とは?
いつどこで、どんな災害や被害に合うのかは誰にもわかりません。もし自分が病人・被災者になってしまった時、友人知人からのお見舞の手紙というのは、心が落ち着きを取り戻す時間の一つですよね。
あなたの身近な人にお見舞の手紙を出す状況になった場合、どのような内容で書けばよいのか、覚えておくと良いですよ。
押さえておきたい「お見舞いの手紙の基本マナー」とは?
お見舞の手紙というのは通常のお手紙やビジネスレターと違い、タブーとされる項目が多いのが特徴です。それも、一概にタブー視されることと、状況によってタブー視されることが混ざっています。
状況別に、「推奨される内容」と「快く思われない内容」を見ていきましょう。
■お見舞いの手紙を書く意味
根本的なところで、「お見舞の手紙」はどうして書く必要があるのか考えてみましょう。
一番大きな理由は「相手の負担にならないよう配慮する」ため。事故やケガ・災害などで心が疲弊しているとき、訪ねてきた客人の相手は心にも身体にも非常に負担がかかります。
なるべく相手の心労を増さないように、何かあったら支援するよとやんわりお伝えするのがお見舞いの手紙の意義なのです。
■ お見舞いの手紙の構成とは
お見舞の手紙の基本は「便箋1枚に収まる文面であること」。
構成は
『前文』(「頭語(とうご)」+「お見舞の言葉」)
『本文』(相手の状態を伺う言葉や相手を励ます言葉)
『末文』(相手の健康・回復を願う言葉+「結語(けつご)」)となります。
ケガや災害などは人生において何度も経験したくない(しなくて良い)事柄であるため、複数枚にわたるお手紙・二重封筒というのは「(不幸が)重なることを連想する」として避けるべき事柄とされています。弔事と同じですね。
■お見舞いの手紙で伝えたい気持ちとは
まず何より「お加減いかがですか」に代表される、相手の健康状態を気遣う気持ちが表されていることです。
その前後に、「知らせを聞いて驚いている」という自分の心情と、「さぞかし驚かれたことでしょう」といった相手の心情を気遣う言葉を連ねます。
『大丈夫ですか?』という心配している気持ちが伝わる文面を盛り込みましょう。その際、相手に不安を与える(不安を煽る)ような情報や表現が入っていないかチェックが必要ですよ。
■使ってはいけない「忌み言葉」
同じようなことが何度も起こることが無いよう願って、「忌み言葉(いみことば)」は使用を避けるようにしましょう。
「忌み言葉」とは、「重ね言葉」や「繰り返し言葉」とも呼ばれ、否定的な意味合いを含む言葉や同じ音が繰り返される言葉など、「良くない意味の言葉全般」を指します。
例えば「また」や「かえすがえす」「再び」「迷う」など。状況によってはすごく強い「否定的な意味合いを含む言葉」ですよね。けっこう無意識に使ってしまうので気を付けなくてはなりません。
■お見舞いの手紙を出すタイミングとは
他のお手紙と違い、お見舞のお手紙は「知らせを受けたら(知ったら)すぐに出す」のが基本です。
ただし、避難している・安否が確認できないなど「相手が手紙を読めるような状況にない場合」は、相手が落ち着いて(ひと段落して)から届くように配慮することが必要です。
大事なのは「不幸を予期していたかのような印象を与えてしまう時期に届かないようにする」ことなのですから。
知っておきたい「いろいろなお見舞いの手紙の注意点」とは?
シーンによって、お手紙の内容には変化が必要です。
状況によって、「書くべき(書いても良い)こと」「書いてはいけない(触れない)こと」があります。
相手を心配する気持ちが先行するあまり、伝えなくても良い事まで伝えてしまったというような失敗を避けるためにも、お手紙を書くあなたは「一呼吸おいて落ち着いてから」書き始めましょうね!
■「病気のお見舞いの手紙」で伝えたい気持ちと触れてはいけないこと
病気・入院の両方について、一挙にご紹介します。いずれの場合も、以下の事に気を付けましょう。
【触れてはいけないこと】
・(完治しない等)病状が思わしくない場合に病状を聞く
・病名や病状を詳しく尋ねる
・(療養に専念しなくてはいけない相手に、敢えて)仕事の近況などを伝える
【伝えたい気持ち】
・相手を励ます
・病気の治癒、完治を願う
・頭語のみですぐ本文に入る → 心配です、という気持ちの表れとなる
■「事故のお見舞いの手紙」で伝える気持ちと書いてはいけないこと
事故のお見舞いの手紙では、以下の事に気を付けましょう。
【書いてはいけないこと】
・事故状況を詳しく尋ねる
・お見舞い以外の用件を書き加える
【伝える気持ち】
・頭語を省略(入れる場合は「急啓」「冠省」など)し本文に入る → 取るものもとりあえずお手紙しました、という気持ちが伝わる
・結語は「取り急ぎ●●にて(●●申し上げます)」(取り急ぎお見舞い申し上げます、取り急ぎ書中にて、など) → また改めてご連絡申し上げます、という気持ちを伝える
■「地震のお見舞いの手紙」で伝えたい気持ちと触れない方が良いこと
地震や土砂災害など「天災」と呼ばれる自然が相手の場合は、心労だけでなく身体にも弊害が起きることが多いので、お見舞のお手紙は少し落ち着いてからが良いでしょう。
伝えるべきは「何かあったらいつでも連絡してね」といった「心のケア」や支援物資のような「物理的ケア」をする用意があるよ、という気持ちです。
大規模な地震の場合、経験がトラウマとなっていることも多いので、地震の時の状況を尋ねるのは褒められたことではありませんよ!
■「火災のお見舞いの手紙」で伝える気持ちと書いてはいけないこと
火災のお見舞の手紙を書く場合、気を付けなくてはいけないのは「出火元(周囲の延焼あり/なし)」なのか「もらい火」なのかで内容が変化するということ。
出火元であれば火を出したという強い罪悪感があります。延焼したとなれば、火元宅にマイナスの感情を抱くといったことも出てきます。
まずは「家財などが燃えてしまった」事を慰め、励ましましょう。
出火した家に対する悪口(不満)や状況を尋ねることはNGです。必要以上に情報を尋ねないようにしてくださいね。
■「水害のお見舞いの手紙」で伝えたい気持ちと触れてはいけないこと
水害のお見舞いの手紙は、地震や火事などのお見舞の手紙と同様になります。
状況を根掘り葉掘り聞きださないこと、お見舞い以外の用件を付け加えない事はもちろんですが、可能であれば、「なにかお手伝いできることはありませんか(力になりたいです)」という一文があると、相手の方にとってはありがたいお手紙となります。
水害・火事・天災などのお見舞いの手紙は「、」「。」を打たず、行頭が揃わない形式であっても良いとされています。
■豊富な「お見舞いの手紙」の文例が用意されたサイトはココ
お見舞いの手紙にも、様々な種類があることがご理解いただけたのではないかと思います。
いずれの場合にも対応できる文章や、個別のケース、ビジネスでのお見舞いの手紙など様々なバリエーションが紹介されているサイトをご紹介しますので、こちらのサイトを参考にお見舞のお手紙を書いてみましょう。
相手に寄り添ったお見舞いの手紙を出しましょう
お見舞いの手紙は、相手の事を心配し、力落としの状況を慰め、これからのことに希望が持てるよう励ますのが目的です。
急なことで気が動転するのもよく理解できます。ですが、どんな時でも「冷静さ」を忘れなければ、お見舞のお手紙も自分本位になることはありません。
さあ、シュミレーションしてみましょう!