押さえておきたい「お見舞金を包む袋のマナー」の数々とは?

お見舞いには様々な種類がありますが、まず思い浮かぶのは「病気やケガのお見舞い」ではないでしょうか。相手に良くないことがあったときなので、眉をひそめるような行いは慎みたいものです。
病気やケガだけでなく、火事や災害などで被害のあった場合にもお見舞金を出しますので、ケース別に注意点やタブーなどを確認してみましょう。
お見舞いの種類で異なるお見舞金を包む「袋のマナー」とは?
お見舞いの種類によって、ルールが少し違うことがあります。
知らないと恥をかくだけでなくその後のお付き合いに影響が出ることもあるので、最低限のルールやマナーは知っておくべきでしょう。今わからなくても大丈夫です!これからご紹介しますので最後まで読み進めてみてくださいね。
■お見舞金を包むならこの「袋」
お見舞金を包む場合は「のし袋」「お見舞袋」または「白封筒」を使います。のし袋は「熨斗のついていないもの」を使用します。水引は白赤の結び切り、または水引のないタイプを用意しましょう。
蝶結びの袋は「何度も病気になればいい」と思っている、と受け取られてしまうので絶対にNGです。
「病気なのに赤い水引のついた袋を使うのは抵抗がある」という方もいらっしゃいますよね。その気持ち、よくわかります。しかしこの場合の「赤水引」は、「病気が全快する」「早く良くなる」というプラスの気持ちを表すものなのでご心配なく!
どうしても気になる方は「白封筒」でも大丈夫ですが、「白封筒=死・重病・命に係わる事態」という認識をお持ちの方もいらっしゃることを覚えておくと良いですね。
のし袋と封筒って何が違うの?
のし袋も封筒も「紙でできたもの」で「お金などを入れるもの」なので、なぜわざわざ別の呼び方をするのか不思議に思ったことはありませんか?
封筒というのは書面や手紙などの「紙を運ぶこと」に特化した入れ物。封筒には「お金や貴金属など高価で価値のあるもの」は入れないのが一般的ですね。
のし袋というのは「金品を入れること」に特化した入れ物(袋)の総称。「佛ののし袋」「お祝いののし袋」など「〇〇の」という言葉を付けて呼び分けることが多いようです。
また、「給料袋」や「月謝袋」など、お金だけを入れるものは「封筒」ではなく「袋」と呼んでいます。郵便でお金を贈るときも、お金をいれた「(のし)袋」を「(書留)封筒」に入れて送りますよね。こんなところにも「袋」と「封筒」の違いが出るのです!
意識したこと、ありましたか?
■入院見舞いでは避けたい「熨斗マーク」
入院見舞いでお見舞金を用意する際、熨斗がついた袋は避けるべきです。熨斗はお祝いに用いられますが「長く続く」という意味が含まれるので「長く病気であればいい(完治しなくてもよい)」と思っていると受け取られてしまうのです。
そんなこじつけみたいなこと、と思われますか?実際病気になるとわかるのですが、普段気にならないことでも、病気になると気が弱っているのでなんでもネガティブに考えやすくなるものなのですよ。
■お見舞いで異なる「表書き」とは
表書きとは、袋の上中央部分に書く「名称(タイトル)」のこと。表書きは「何のためのお金なのか」を示すものです。
どんなお見舞いにも使えるのは「御見舞」という表書きです。他には「災害御見舞」「水害御見舞」「近火御見舞」(火元なら「出火御見舞」、延焼などの場合は「類焼御見舞」と書くことも)、「お伺い」(病気見舞いの場合)、「祈御全快」などがあります。
■連名時の名前の書き方の注意点とは
何よりもまず、丁寧に書きましょう!どんなのし袋にも共通していることですが、表書きはやや大きく、名前は表書きよりやや小さめの字で書くとバランスがとりやすいでしょう。
連名の場合は、年長者(代表者)の名前を中央に、そこから左へ連名します。同僚や友人など序列がない場合は50音順に、中央に寄せてバランスよく書きましょう。4人以上の連名の場合は「(代表者名)外一同」とし、中に全員の名前を記入した紙を入れるとスマートですね。
■中袋の有無で異なる「裏書き」とは
裏書きというのは、「袋や封筒の裏側に書き込む自分の情報」のことで、「金額」「連絡先」「名前」などがこれに当たります。
白封筒など「中袋がない場合」は、金額も連絡先も名前も裏面の左下に記入します。「中袋がある場合」と「中包みの場合」は金額を中袋の表中央に、連絡先と名前を裏面の左下に記入します。親しい友人など連絡先が分かっている場合は名前だけを書くこともあります。
印刷がある場合はそれに倣って記入すれば大丈夫ですよ。
知っていますか「中袋のマナー」とは?
中袋(中包み)と上包みがセットになっているのし袋の場合、マナーの半分は中袋(中包み)に集まります。上包みで隠れるため傍目にはわからないのですが、開けたらガッカリ、なんてこともよくあるのだそうです。
そんな風にガッカリされないよう、中袋のマナーについて勉強しておきましょう!
■中袋の「表書き」の書き方とは
中袋の書き方は「慶事」に準じます。病気などの良くないことが起きているのですが、「これからは良くなる(未来は良い方向へ行く)」という意味を兼ねて赤を用いた袋を使用するためです。
上包みの表書きに御見舞の旨を記入してあるので、中袋の表書きは「金〇萬(仟)円」とします。この時「也」は付けないように。(也は10万円以上の場合に使います)
■中袋の「裏書き」の書き方とは
先ほどの、中袋の有無によって書き方が変わるというところでもお伝えしましたが、中袋の裏書きは「連絡先」と「名前」が主になります。
親しい間柄の場合は裏書きを省略することもできますが、万が一上包みと中袋が別々になってしまった場合の事を考えて連絡先を記入しておくほうがスマートです。
中央より少し左側に、連絡先や氏名などを記入しましょう。
■中袋の「お金の包み方」とは
繰り返しになりますが、お金の包み方は「慶事」に準じます。
中袋の表書きを表(上)にした状態で、お札の肖像(諭吉さんなど)が自分に見えるように、かつ袋の上部に来るように(日本銀行券〇〇円と書かれているほうが袋の底に入るように)入れます。
新札(ピン札)だと、「前もって用意していた」と感じる方もいるためお札はなるべく使用済みのものを使います。新札しか用意できない場合は2つ折りないし3つ折りの折り目を付けてから入れましょう。
■中袋の「折り方」とは
中袋が包み紙タイプのものを「中包み」と呼びます。
中包みには2種類の包み方があり、1つは表に折り空きが出ないタイプ、もう1つは表に折り空きが出るタイプです。どちらを使用しても問題はありません。結納金など紙幣が多い場合は折り空きが出ないタイプを使用することが多いようです。
自分で折る場合は、半紙・和紙・奉書紙(ほうしょし)などを使います。用意できない場合はA4のコピー用紙などで代用することもできます。