たくさんある長寿のお祝い♪
長寿のお祝いというと、還暦、古希、喜寿…など、聞いたことがあるものも多いと思います。でも、種類が多いので、正確に何歳がどのお祝いにあたるか、曖昧な人も多いのではないでしょうか。
今回はたくさんある長寿のお祝いについて、その種類やお祝いのタイミング、お祝いのマナーなどについてまとめて解説します。
長寿のお祝いってなんだろう
そもそも長寿のお祝いは、なぜ行われるようになったのでしょうか?ここでは、そのルーツや意義についてご紹介します。
■長寿を祝い長寿にあやかる♪
長寿のお祝いは、文字通り、長寿を迎えた人自身を祝福するとともに、周囲の人ももそれにあやかるという意味を持ちます。誕生日や敬老の日に大勢で盛大にお祝いするのも、本来の意味を考えると納得ですね。
■「儒教」の敬老思想が大きく影響♪
長寿のお祝いは、もともと中国の儒教思想に根差したものと言われています。儒教には、長寿を尊ぶ考え方と、敬老の思想があります。そこから長寿を祝う風習が生まれ、日本にも伝わったとされています。
古くは40歳を初老とし、以降、10年ごとの節目でお祝いをしていたそうです。
■平安時代には長寿のお祝いが存在していたという説も!
長寿のお祝いの歴史は古く、鎌倉時代には現在のように還暦を節目として祝う習慣が広まったと言われています。もともとは平安時代に中国から伝わり、はじめは貴族の間で広がったとする説もあります。
知っておきたい!長寿のお祝いマナー♪
長寿のお祝いをする時に、知っておくべきマナーはご存知ですか?ここでは押さえておきたいポイントをご紹介しておきます。
■お祝い金の平均相場は1~3万円
長寿祝いでお祝い金を包む場合、気になるのは相場ですよね。贈る人の立場や年齢によっても異なりますが、一般的には10,000円~30,000円と言われています。関係の近い両親、祖父母、親類の順で金額は高くなると考えると良いでしょう。
■水引は紅白で金銀の蝶結びのものを♪
お祝い金を包む場合は、祝儀袋を用意します。おめでたいことなので、水引は紅白または金銀の蝶結びのものを選びましょう。蝶結びは、結びなおしができることから、繰り返して良いお祝いごとに使います。表書きは「寿」「御祝」「祝還暦」などでOKです。
■「お茶」や「櫛」の贈り物は避けて!
長寿のお祝いで避けた方が良い贈り物の代表格は「お茶」と「櫛」です。お茶は、弔事の際によく使われることから、お祝いには不向きとされています。また、櫛は「苦」「死」を連想させるため、贈り物として好ましくないとされています。
■数え年、満年齢どちら?お祝いのタイミングは?
長寿のお祝いをする際に、迷うポイントが満年齢と数え年の違い。ちょっと紛らわしいので、ここで押さえておきましょう。
現代では、誕生日を迎えると年齢が変わる「満年齢」が一般的です。一方、数え年は生まれた年を1歳とし、元旦を迎えると誕生日に関わらず年齢を重ねるという考え方。
長寿のお祝いは、基本的に数え年を基準にしています。古くは年明けすぐにお祝いする方が多かったようですが、現在は、誕生日や敬老の日などにお祝いするケースがほとんどです。特に決まりはないので、なるべく多くの親族が集まれるタイミングの方が良いでしょう。
■ご本人の気持を第一優先♪
いまや長生きの時代ですから、長寿のお祝いと言っても、まだまだ若々しい人も多いです。現役でお仕事を続けている方、趣味を楽しんでいる方など、ライフスタイルや好みも様々。お祝いの仕方や贈り物は、ご本人の気持ちを最優先にして計画を練ると良いでしょう。
代表的な長寿のお祝いを紹介!
ここでは長寿のお祝いの種類について、年齢や由来、意味などを個別にご紹介します。
■まだまだ現役の「還暦」
長寿のお祝いでも最もよく耳にするのは「還暦」ではないでしょうか。満年齢なら60歳、数え年なら61歳を迎える年にお祝いします。
還暦とは、暦が一周するという意味合いで、生まれ年に還る=第二の人生のスタートの節目にあたります。赤いちゃんちゃんこを贈るのは、「赤ちゃんに戻る」ことに見立てた習わしです。
現代の長寿社会では、還暦と言ってもまだまだ現役の方が大半でしょう。「年寄扱いしないでほしい」という人も多いかと思います。長寿というよりは、人生の節目という趣旨でお祝いするのが良いかもしれませんね。
■本格的な長寿のお祝いの「古希」
寿命が長くなった現代では、古希からが本格的な長寿のお祝いと言って良いかもしれません。古希は数え年なら70歳、満年齢なら69歳でお祝いをします。
古希は中国の杜甫(とほ)の詩「人生七十古来稀也(じんせいななじゅうこらいまれなり)」に由来すると言われています。昔は70歳まで年齢を重ねるのは非常に稀で、殊の外おめでたいことだったというのが伺えます。
■7が2つで縁起良しの「喜寿」
喜寿は数え年で77歳、満年齢で76歳のお祝いです。喜寿は日本が発祥といわれる長寿のお祝いです。「喜」の草書体「㐂」が、上下で七十七と読めることにちなんで「喜寿」となったと言われています。7が重なる縁起の良いお祝いなので、皆があやかれるよう盛大にお祝いすると良いですね。
■「傘」の略字が名前の由来の「傘寿」
傘寿は数え年で80歳、満年齢なら79歳を祝う長寿のお祝いです。傘寿の由来は、傘の略字を縦書きにすると「八十」に見えるからという説や、傘を広げた様子が末広がりだからとする説など、諸説あります。
日本が長寿社会になったとはいえ、傘寿を元気に迎えられるというのは、ご本人も周囲の方も感慨深いのではないでしょうか。盛大にお祝いしたいですよね!
■末広がりで幸せを呼び込む「米寿」
米寿は「米」の字を分解すると八十八と読めることから、80歳を祝う行事です。お祝いのタイミングは数え年で88歳、満年齢なら87歳。
米寿は末広がりの「八」がふたつ重なることから、長寿のお祝いの中でも、特におめでたいとされ、還暦と並んで盛大にお祝いする人も多いです。お祝いには、しばしば金色や金茶、黄色のちゃんちゃんこや座布団、扇などが用意されます。
■長寿の証の「卒寿」
卒寿は90歳のお祝い。お祝いのタイミングは、数え年で90歳、満年齢なら89歳です。
90を漢字で縦に並べると「卒」の草書体「卆」になることから90歳の長寿のお祝いが「卒寿」になったと言われています。まれにその響きから「人生を卒業する」という意味に捉えている人がいますが、もちろんそういった意味はありませんので、ご注意を。
■100歳まであと一歩の「白寿」
白寿は百から一を引いた年齢、すなわち99歳のお祝いです。数え年で99歳、満年齢なら98歳のタイミングでお祝いします。
お祝いには、その行事名にちなんで白のちゃんちゃんこや座布団、扇子などを用意することが多いです。白は特に神聖な色とされているので、白寿という特別な長寿のお祝いにもピッタリと言えるでしょう。
■ついに大台♪ 記念すべき「百寿」
100歳のお祝いを迎えると、ついに「百寿」。お祝いは数え年で100歳、満年齢99歳のタイミングで行います。100年=1世紀ということから「記寿」と呼ぶこともあります。
寿命が延びたと言っても、100歳を迎えらるのは、特別なことです。お元気な方でも、ご高齢であることには変わりはありませんので、長寿のお祝いをする場合も、ご本人の体調や意向に配慮しましょう。
長寿のお祝いは家族そろって♪
高齢化社会になったとは言え、元気で長生きできることは喜ばしいことです。家族で集まれるなら、それが何よりのプレゼントになるでしょう。ぜひみんなで盛大にお祝いしてあげてください。