競技人口増加中!還暦野球って知ってる?
還暦を迎えると「これからの人生をどうしようか」と第2の人生の戦略を練り始める方も多いです。もちろんどのように過ごすかは人それぞれで、ボランティア活動を行うもよし、趣味に没頭するのもよしと何でもありです。
健康ブームの今、スポーツに打ち込む方もかなり増えてきましたね。2020年は東京オリンピック。スポーツクライミングなど新種目競技も脚光(きゃっこう)を浴びています。
野球も種目に追加され、金メダルが期待されています。野球は若い人が行うスポーツ?いえ、そんなことはありません。実は今、60歳以上の方限定の「還暦野球」が注目を集めています。
還暦野球といっても、立派なスポーツ。勝負の時は、選手の皆さんは真剣そのもの。細かなルールは違えど、高校野球やプロ野球に引けを取らない楽しさが還暦野球の魅力です。
還暦野球の歴史から、ルールまで見ていきましょう!
そもそも還暦って?
還暦野球には、60歳以上の方が出場できるというルールが。その前に「還暦」についておさらいしましょう。
■実年齢で60歳を迎えること
還暦は60歳の誕生日を迎えたとき、つまり実年齢で60歳を迎える記念すべき日になります。還暦は家族でお祝いすることも多く、ここからが人生の第2ステージととらえる方も多いですよ。
■60年で暦が1周♪ 還暦は赤ちゃんに還る年!
還暦は、生まれた年の干支がちょうど一巡する年でもあります。干支は10種類の干と12種類の支の組み合わせでできており、パターンとして60通りあります。還暦は「暦が還る」という意味ですが、60年で生まれたときに戻るという意味合いもあります。
「赤いちゃんちゃんこ」を着る風習もありますが、それは赤ちゃんの頃にもどるというイメージです。
■還暦はまだまだ若い!新しい趣味を探すのにベストな時期♪
還暦の頃に退職する方も多く、還暦はそれまで仕事に向けていたエネルギーを趣味に転換することができるターニングポイントともいえます。好きだった釣りや山登り、将棋や料理など趣味のバリエーションは豊富です。還暦を迎えたら、あなたはどんな趣味を始めてみたいですか?
還暦野球とは?
還暦野球の歴史は古く、今も参加人口は増え続けています。還暦野球の何が人を引き付けるのか、そのわけを探っていきましょう。
■意外と歴史アリの還暦野球♪ 1979年に群馬県で発祥!
1979年に群馬県で誕生した還暦野球。実は40年近くの歴史があります。この40年の間に競技人口は着々と増えてきています。
最近では、還暦野球で町おこしをする活動も始まっています。
■都道府県還暦野球連盟はほぼ全国にある!
全国還暦軟式野球連盟は、全日本軟式野球連盟に所属している団体の1つです。始めは群馬県にしかなかった還暦野球チームも、全国に広がり今ではほとんどの都道府県でチームが編成されています。
■年々競技人口が増加!今最も勢いのある高齢者スポーツとの声も
気になるチーム数ですが、登録しているチームだけでも500チームあります。未登録チームを合わせるとそのチーム数は1,000を超えるともいわれています。野球は日本では人気のスポーツ。野球経験者の多さが、還暦を迎えた後も還暦野球をやってみたいという原動力にもなっています。
■年に一度都道府県代表による全日本還暦軟式野球選手権大会が開催♪
競技である以上、もちろん試合があります。年に1度開催される全日本還暦軟式野球選手権大会では、各都道府県の強豪(きょうごう)チームがしのぎを削る熱い試合が行われます。2016年は、10月4日に決勝が行われました。秋の涼しくなる時期に、選手の皆様は大会で燃え上がります!
還暦野球の主なルールを紹介!
スポーツに欠かせないのがルール。還暦野球でもきちんとしたルールが定められています。還暦野球に参加する前に、基本のルールを覚えましょう。
■参加資格は60歳以上!
還暦野球で重要なのが、参加資格。還暦野球と呼ばれている以上、60歳以上の方のみが出場できます。70歳以上の方が出場できる古希野球というものもありますが、還暦野球と比べると競技人口や規模は小さめです。
■使用球は軟式公認球B号(中学生使用球)とする
プロ野球では硬式ボールを使いますが、還暦野球では軟式ボールを使用します。実は軟球を使った野球競技というのは、日本発祥です。一時期、プロ野球では飛びすぎると話題になった「統一球ボール」の問題がありましたが、軟球も改良が加えられながら現在に至っています。
昔の軟球と比べると、現在の軟球は飛びやすく変化球が投げやすいが特徴です。ボールの縫い目が高く作られボールの空気抵抗や回転に影響を与えることが理由です。
■試合は7イニング制
野球というと「9回サヨナラの場面」という解説も聞こえてきそうですね。でも還暦野球は、7イニング制。短期決戦型ですね。
■投手板と本塁間の距離は16.3Mとする
ピッチャーマウンドから本塁までの距離は結構あるもので、「キャッチャーまでボールが届くだろうか」と心配する方もいらっしゃのでは?還暦野球では投手板から本塁までの距離は16.3メートルと、若干(じゃっかん)短めに設定されています。
■塁間距離を25Mとする
塁の間の距離は25メートルと、こちらも短めに設定されています。
■試合当日の出場者エントリーは11人以上でなければならない
野球は攻守がはっきりとわかれており、戦略的なスポーツ。それでも運動量は相当なもの。還暦野球ではその点を考慮(こうりょ)して、11人以上での参加を求めています。
勢いのある神奈川の還暦野球♪
還暦野球のチームでは、「〇×県のチームは打力がすごい」「うちのチームのピッチャーは日本一の速球を投げるんだよなぁ」という会話が聞こえてきそうですね。還暦野球にも強豪(きょうごう)チームがあり、特に神奈川の還暦野球は有名です。
なぜ神奈川の還暦野球に注目が集まるのか、探ってみましょう。
■発足から20年以上の歴史を誇る「神還連」
神奈川県還暦軟式野球連盟、略して「神還連」。平成27年に発足から20年を祝う記念式典が行われました。
楽しい野球をモットーに活動を続けてきた神還連ですが、実力も兼ね備えている還暦野球の大御所(おおごしょ)。所属チームも多く、神奈川県内だけでもトーナメントが組めるくらいのチーム数をほこります。
■第32回全日本還暦軟式野球選手権大会優勝!
2016年に群馬県で開催された、第32回全日本還暦軟式野球選手権大会では神奈川県の「川崎ドリーム」が見事優勝に輝きました。決勝は、宮城県の「宮城ドリームズ」との対戦で、まさに夢と夢がぶつかる熱い試合が行われました。
ちなみにこの大会に出場したチームは64チームもあり、北は北海道、南は沖縄まで日本全国で親しまれているスポーツであることがわかります。
還暦野球でいつまでも若々しく♪
還暦野球の魅力を知ったならば、もう参加するしかないですね。還暦までしばらく時間があるという方は、還暦野球があるということを覚えておいて還暦を迎えたらすぐ地元のチームに参加できるように、まずは筋トレから始めてみてはいかがでしょうか。
運動をすることでいつまでも元気で健康に過ごすことができるように…還暦野球にはそんな願いも込められているかもしれませんね。