結納品は2人の幸せを願った品♪ それぞれの品の意味を解説します!

婚約を公にする結納の場に欠かせない結納品。熨斗やスルメなど縁起物をそろえることは知られているかと思いますが、他の品目やそれぞれの意味はご存知ですか?実は、一品ごとに家庭円満や夫婦の末永い幸せへの願いが込められているのです。今回は結納品の個別の意味や地域による品目・品数の違いなど、結納品に関するアレコレを解説します。

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結納品は結納に欠かせない品♪

結婚式の前に執り行う結納。古式ゆかしき日本の伝統儀式です。儀式の場で贈られるのが結納品ですが、その内容や意味ってご存知ですか?今回は、結納品の意味や品目、地域による違いについてご紹介します。これから結納を行う方も、まだ結納をするかどうか迷っている方も、ぜひ参考にしてみてください。

結納とは?

結納品について説明する前に、まずは結納そのものについて、基本をおさらいしておきましょう。そもそも結納にはどんな意味があるのでしょうか?結納の歴史や最近の傾向は?結納にまつわるあれこれをご紹介します。

婚約したことを公のものにする儀式

結納は、結婚によって親族となる両家が、その結びつきを祝い、贈り物(=結納品)を納め合う儀式です。婚約したことを公にするとともに、両家の絆を深めるために行います。結婚が単に当人の間だけのものでなく、家と家の結びつきであることを象徴する習わしとも言えます。

結納が庶民に広まったのは明治時代から

結納はもともと、古来から皇族の婚礼の儀式として行われていた「納采の儀」が起源と言われています。結納の作法は、室町時代に武家によって整えられたましたが、結婚式すら挙げる慣例のなかった庶民にとっては、長い間、無縁なものでした。

江戸時代に入ると、公家や武家だけでなく豪商など一部の裕福な庶民も、結納や結婚式を取り入れるようになっていきます。現在のように、結納や結婚式が一般的になったのは、明治時代以降。庶民にとっての婚礼は、近代に入ってようやく身近な祭礼になったのです。

地域により結納の風習は様々

多くの冠婚葬祭のしきたり同様、結納についても、地域によって様々な風習があります。結納の作法は、室町時代に整備された「小笠原流」「伊勢流」などの流儀をもとに、地域の風習と結びついて、様々な体系に発展していきました。

結納を行う際には、どのような作法で行うか、あらかじめ両家できちんと打ち合わせておく必要があるのも、このためです。出身地が違う場合はもちろんですが、各家庭でも独自の風習に従うことがあるので、お互い齟齬がないようにしておくことが重要です。

現在は減少傾向にある「結納」

結納は両家での調整や、会場や宴席、結納品の手配など、様々な準備が必要です。また、一般的には高額な結納金の準備が必要になるなど、経済的な負担も決して小さくありません。こうした理由から、最近では結納を簡素化したり、省略するカップルも増えています

家族の在り方も多様化し、結婚を「家と家の結びつき」と捉えない層が増えたことや、堅苦しい儀式を好まない人が増えたことも、結納の減少傾向に影響しています。いずれにしても、結納をするかしないか、するならどのように行うかは、両家が納得して決めることが重要です。

結納品とはどんな品?

結納を行うと決めたら、次に待っているのは結納品を含めた手配や準備です。そもそも、結納品とはどんなものを指すのでしょうか?ここでは、その基本について解説します。

結納金に縁起物を添えた一式

結納品とは、結納金と一緒に贈られる様々な縁起物一式を指します。一般的にもよく知られているような縁起物から、婚礼の儀式に特有のものまで、その種類は様々です。祝い事を象徴する熨斗(のし)や末廣(すえひろ)をはじめ、縁起の良い食品やお酒が含まれます。

もともとは、全て現物で用意されていましたが、最近では、品目によって、現金を包むことで代用するケースも増えています。例えば結納金も、もともとは帯地や着物地を贈っていたところを「好みの着物や帯を買ってください」という意味で、現金を包むようになったという背景があります。時代とともに風習も変化しているのが分かりますね。

地域の風習や家ごとの考え方により品目も品数も異なる!

結納のしきたりが地方や各家庭で異なるように、結納品の品目や品数も異なります

代表的な例では、関東式と関西式がありますが、関東式では結納品は9品目が基本で、白木台にまとめて飾るのが一般的です。一方関西式は、関東式の品目に加え、更に贈り物を追加することが多く、最大21品目になることも。一品ずつ松竹梅鶴亀等と共に飾り付けるので、見た目も華やかです。

今後の2人の幸せを願った品

結納品で贈られる品は、すべて縁起物。一品ごとに家族の繁栄や健康、夫婦の末永い幸せへの願いが込められています。それぞれの品が象徴する意味を理解していると、結納の儀式も一層感慨深いものとなることでしょう。

結納品あれこれ♪

結納に欠かせない結納品。相場は?準備は?いろいろ疑問が湧いてきます。ここではあらかじめ知っておきたい結納品に関するあれこれをまとめてご紹介します。

地域による考え方の違い

結納品の品目や品数が地方によって異なるのは、先に説明した通りですが、その違いは、結納に対する基本的な考え方の違いからも派生しています。ここでは、代表的な関東式と関西式の違いを挙げておきます。

女性の立場を同格とみなす「関東式」

関東式では、男性と女性がそれぞれ同格の結納品を用意します。よって関東では、結納を「交わす」と表現します。結納品自体も関西と比較すると、シンプルなものが多く、結納式での飾りつけも簡素です。また、結納返しについても、男性から受け取った金額の半額程度を女性側から返す「半返し」が一般的です。

結納品は男性から女性への贈り物と考える「関西式」

関西では、結納品は男性から女性へ納めるものとの考え方で、基本的に男性側が用意します。したがって、関西では結納は「納める」ものと表現されます。結納品自体が関東より豪華な品が多く、女性側は結納品を用意しません。女性側からは、受け取ったものより小さな品や、結納金の1割程度を結納返しとすることもあります。

結納品購入の平均相場は18万円前後

気になる結納品の購入相場は、18万円前後。ただし、これは婚約指輪や結納金を除く金額です。また、これは全国平均ですので、地域によって差があります。先に述べた通り、関西の方が結納品が豪華なものが多く、全国的に見ると金額は「西高東低」の傾向にあります。

「結納品レンタル」や「結納品セット」を活用して♪

結納品は専門店で購入できます。しきたりの違いや個別の相談にも応じてもらえるでしょう。特殊な準備が必要なければ、結納品セットを活用するのが便利です。式場やホテル等では、会場や酒宴、結納品も混みのパッケージプランを提供しているところが多いです。比較的手頃なプランが多いので、費用を抑えたいカップルにはおすすめです。

最近では結納品レンタルの利用も可能です。結納品は縁起物ですが、日常で利用できないものも多く、レンタルで十分という考え方もアリです。それぞれのニーズに合わせて上手に活用しましょう

結納品それぞれの意味を紹介!

ここからは個別の結納品について、それぞれの意味を説明します。お馴染みのある品もありますが、結納品はそれ自体が「祝い言葉」として縁起の良い漢字があてられています。地域によって、準備するものや品数は異なりますが、ここでは、全国的に共通する代表的な品を挙げています。

目録(もくろく)

目録は結納品の品目と数量を記載したものです。関西式では目録は結納品として数えません。関東式では、目録も結納品のひとつですが、地域によっては関西式と同様、数えないケースがあります。

長熨斗(ながのし)

長熨斗とは、神事で献上される「のしアワビ」のことで、アワビを畳表で叩いて伸ばしたもの。長寿を象徴する縁起物です。関西式では水引や打ち出の小槌を添えて飾るのが一般的です。

金包(きんぽう)

金包は結納金を指します。関東式では、男性側からの結納金を「御帯料」もしくは「小袖料」、女性からは「御袴料」と呼ぶことも。関西式では「帯地料」と呼ぶ地域が多く、今でも結納金ではなく、帯地や着物地を贈るケースもあります。

勝男節(かつおぶし)

勝男節とは鰹節のこと。男性の力強さを象徴しています。勝男武士と表記される地域もあります。関東式では主流ですが、関西式では、後述する松魚漁(まつうおりょう)を用意する場合は、省略されることが多いです。

寿留女(するめ)

寿留女はスルメを指します。日持ちすること、噛めば噛むほど味がでることから、夫婦の末永い幸せを願う象徴とされています。寿留米という表記を用いる地域もあります。

子生婦(こんぶ)

子生婦は昆布のこと。「よろこぶ」の意味を込めています。生命力が強いことから、子孫繁栄を表す縁起物でもあります。

友白賀(ともしらが)

友白賀は白い麻紐や麻糸を束ねたもの。友志良賀、友白髪と表記する地域もあります。夫婦が共に白髪になるまで仲良く添いとげられるようにとの願いが込められています。

末廣(すえひろ)

末廣は純白の扇子のこと。末広がりの繁栄を願う縁起物です。また、純白は純潔・無垢を象徴しています。古くは男性用の白扇子と女性用の金銀扇子が用意されていましたが、現在は簡略化され、白扇子が主流です。

家内喜多留(やなぎだる)

家内喜多留は、柳で作った酒樽のこと。家庭円満と幸福を願うもので、もともと酒樽を用意したり、夫婦で一対の日本酒を持参していましたが、現在では酒肴料として現金で代用するケースが増えています。

松魚漁(まつうおりょう)

松魚漁とは、雄と雌の真鯛のこと。こちらも現在では現物ではなく、肴料として現金を包むことが多いです。関西式が主流で、関東式では基本の品目にないケースがほとんどです。

高砂(たかさご)

高砂は翁(おきな)と姥(うば)が一対となった高砂人形のこと。こちらも関西式に特有の品目です。夫婦が末永く添いとげられるようにとの願いを込めた縁起物です。

結美和(ゆびわ)

結美和とは婚約指輪のこと。既に渡している場合は、目録への記載だけでOKです。主に関西式で、関東式の場合は、結納の品目としては含まれないのが一般的です。

結納品それぞれの意味を知って結納本番を迎えよう♪

結納品には、様々な意味や願いが込められています。両家の絆を深めるのに、ふさわしい儀式と言えるでしょう。堅苦しい儀式だと固定観念を持たずに、本来の意味を知ったうえで、結納本番に臨んでみてはいかがでしょうか。

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