知っておきたい!実習のお礼状の正しい書き方とは?
現場に行き直接体験できる実習では、本や授業では知ることのできない多くのことを学ぶことができます。同時に実習先で様々な先輩にお世話になったり、時に迷惑をかけてしまうこともあるかもしれません。
実習生を迎え入れてくれた相手先には、きちんとした形でのお礼状を送ることが大事。適当な書き方では絶対にNGですよ。
実習が終了したらすぐに出したい「お礼状」
お礼状を出す機会は、実習に限らず存在します。同じ学生という立場であれば、面接後や内定をもらった時。社会人になっても、研修などのお礼状を書く機会があるかもしれません。これからあらゆるタイミングで書くことになるであろうお礼状。せっかくなので、実習後のタイミングで正しい書き方をマスターしておくと良いでしょう。
■数多くある実習の種類
学生が行う実習は、学校や病院・施設・保育園など各自が選択した専門性によって実にさまざまで、その内容・期間なども含めると多岐にわたります。実習先では多くの人にお世話になり、貴重な経験を積むことができるでしょう。それに対する感謝の気持ちをあらわすためにも、実習後のお礼状は欠かせないものとなります。
■お礼状を出す目的
お礼状とは、送る相手へ感謝の気持ちを伝えることが主な目的です。実習中であれば、不慣れで頼らざるを得ない場面も多々あったはず。お世話になったお礼を手紙に込めることで、実習でサポートしてもらった、教えてもらったことに対する「ありがとう」を伝えましょう。また学生の実習であれば、自身の残した印象が同じ場所で実習を受ける後輩にも大きな影響を与えることもあるかもしれません。
■お礼状を出すタイミング
お礼状の書き方で迷っている実習生も多いと思いますが、できるだけ素早く作成して送りたいもの。実習が終わったら、すぐにでもお礼状を発送するのが理想です。できれば実習終了の翌日に出し、遅くても1週間以内には届くように出しましょう。善は急げとは、よく言ったもの!実習から期間が空かないうちに出すためにも、早めの準備を心がけてくださいね。
■お礼状は「便箋に手書きで」とは
パソコンでお礼状を作るケースもあるかと思いますが、おすすめなのは「手書き」にすること。確かに機械の文字は整っていて綺麗に見えます。しかし、手書きの手紙は機械の文字にはない温かさ、優しさ、何より実習に対する感謝の気持ちが伝わりやすいのです。あなたの気持ちを十分に届けるためにも、手書きのお礼状にチャレンジしてみましょう。
■使う筆記用具
手書きでお礼状を書く場合には、黒いインクのボールペン、または万年筆を使用します。万年筆であれば、ブルーブラックのインクでも大丈夫。決して鉛筆やカラーのボールペンなどで書かないこと!ペン類は修正が効かないので、あらかじめ文章を決めてから書き始めるのが良いでしょう。実習の経験が鮮明なうちに内容を考えておくことも大切なポイントですよ。
■提出書類は一緒に!
実習内容などにもよると思いますが、実習先に書類提出が必要なケースもあります。実習レポートなどがそうですね。実習後に書類が揃っている場合は、お礼状と一緒に送付しましょう。ただし提出書類の用意に時間がかかるようなら、先にお礼状だけを送るのが◎。感謝の気持ちはなるべく早く伝えるのが良いのです。
押さえておきたい!読んでもらえる「お礼状」の書き方とは?
実習先に出すお礼状の具体的な書き方について解説していきます。日頃から友達に手紙を書いているという人でも、フランクな関係でやりとりする手紙とは内容が異なるので注意しましょう。さらにお礼状を出す相手、季節などによっても微妙に書き方が違ってきます。失礼のない書き方は、社会人としての第一歩にもつながるはず。
■お礼状を書く時にいちばん大切なこと
なぜお礼状を出すのかを思い出してみましょう。先述の通り、お礼状の主な目的は「感謝の気持ちを伝えること」です。どんな風に書けば感謝が伝わるのか、それを第一に考えて手紙を書いてみてください。特に実習中にお世話になった先生、指導者の方には具体的な出来事や気持ちを添えると、ありがとうの想いが伝わりやすくなりますよ。
■お礼状の基本構成
ただ感謝の気持ちを綴っただけの手紙では、社会人としてのお礼状にはなりません。お礼状で基本となる構成を守り、その上であなたの気持ちを手紙に込めましょう。
<基本の構成>
1 頭語(拝啓、謹啓 など)
2 前文(時候の挨拶、相手に安否を尋ねる など)
3 本文(具体的な内容、実習中での出来事や感謝の言葉 など)
4 末文(締めくくりの挨拶)
5 結語(敬具、早々 など)
6 あとづけ(日付、自署、宛名)
■頭語と結語の正しい組み合わせ
手紙特有の始まりと終わりの言葉が「頭語」と「結語」。これは何を書いても良いものではなく、頭語と結語の正しい組み合わせで使わなくてはなりません。一般的なお礼状で使用する頭語と結語の組み合わせがこちらです。
<頭語> <結語>
拝啓 → 敬具
拝呈 → 敬白
謹啓 → 敬具
恭啓 → 謹言
■敬語表現の正しい使い方
当たり前なことではありますが、実習先に出すお礼状は全て敬語で書きます。具体的な敬語の書き方としては、末尾は「です・ます調」。尊敬語や丁寧語を使用し、自分に対しては謙譲語を使って失礼のない文章運びにしましょう。また、相手先には“貴”をつけて尊敬の念を表現。病院であれば貴院、保育園であれば貴施設という書き方になります。
■縦書きの場合と横書きの場合の違い
実習先でお世話になった指導教諭・先生など目上の人に対して書く手紙は、白地の便箋に縦書きが正式です。基本的には縦書きでお礼状を書くのが望ましいですね。教員実習などで生徒達に対しお礼状を送る場合は、横書きでも大丈夫なケースがあります。その際は特定の生徒ではなく、クラス全体に対するメッセージとして書くことを意識しましょう。
■参考にしたい「文例」が掲載されているサイトはココ!
書き方の説明だけでは、今ひとつピンとこないこともありますよね。そんな時は、素敵なお礼状の文例を参考にしてみましょう。実習先に出す場合にお手本にしたい、そんな文例が掲載されているサイトをピックアップしました。お礼状の書き方の参考にして、あなただけの感謝の手紙を完成させてくださいね。
知っていますか?恥をかかない「封筒の宛名の書き方」とは?
手紙の構成も内容もバッチリ!……と、ここで安心するのはまだ早いですよ。最後の仕上げとなる「封筒の宛名の書き方」を正しく理解しておく必要があります。実習先の先輩達に立派な社会人と認めてもらえるよう、封筒への書き方にもしっかり気を配っておきたいですね。
■相手の役職、肩書き、資格などの書き方
一般的には、実習先で直接お世話になった担当者、指導者に宛てて手紙を出します。最初に施設名を書き、あれば部署名、次に肩書き、最後に個人名と続けます。
<例1>
◯◯会社 営業課 部長 △△ △△様
<例2>
◯◯小学校 2年1組担任 △△ △△先生
■様、御中、先生の使い方
上記の例のように、様をつけるケース、先生で良いケースなどがあります。「先生様」や「社長様」というのは間違った書き方なので注意。学校や病院の先生であれば「先生」とつけて問題ありませんし、そういった肩書きがない場合は「様」を使います。「御中」は会社名や部署名など団体に宛てる際に用いる敬称なので、個人名の下につけないように気をつけてくださいね。
■医者に出す時の「脇付け」とは
宛名の左下に書く「脇付け」というものがあります。「侍史」や「貴下」といった言葉があり、相手に対する敬意を表すために書くのです。普段はあまり目にしないことが多いのですが、医療機関内では脇付けを書くことが多いようです。そのため病院での実習の際には書いておく方が良いでしょう。
■差出人の正しい書き方
封筒の裏に書く差出人名や住所。正式な書き方は、封筒の中心線より向かってすぐ右側に住所、すぐ左側に氏名を書くというスタイルです。また、向かって左側に住所氏名をまとめて書いても問題ありません。実習生の場合なら、学校名やクラス名なども明記しておきましょう。
やむを得ずメールで「お礼状」を出す場合の注意点とは?
手書きの文書で送るのが通例であるお礼状ですが、やむを得ない事情でメールを利用するケースもゼロではありません。実習のお礼としてメールを作成する場合、内容や書き方としては手書きのお礼状と同様です。それ以外のメール特有の注意点、ポイントなどはきちんと心得ておきましょう。
■メールを出すタイミング
ただでさえ略式の形となるメールですから、送信はできる限り早いタイミングで送ります。実習が終わった当日には送信したいものですね。遅くても翌日中には送るようにし、あまり時間を空けすぎないように心がけましょう。
■メールで「お礼状」を出す時の注意点
繰り返しになりますが、メールでのお礼状送信はあくまで略式です。正式な形は紙の文書ですので、できれば避けたほうがbetter。ただし実習先の担当者が同年代の場合など、相手によってはメールでOKというケースもあります。相手先に合わせて適切に対処するのも大切です。
実習のお礼状は正しい書き方を徹底するべし!
社会に出るまでお礼状を書く機会はあまりないかもしれませんが、実習を機に増えていくと思っておきましょう。書き方さえ心得れば、さまざまな場面においても活かすことができます。マナーと礼儀を守って書くお礼状は、感謝の贈り物。正しい大人の節度を持って、実習を締めくくってくださいね。