知っていますか「お歳暮の由来と基本マナー」とは?
年の瀬が迫ってくるとあわただしくなるだけでなく、「忘れちゃいけないリスト」の上位にあがってくるのが『お歳暮』ではないでしょうか。
お歳暮とは何なのか、由来やNGなこと、あなたは確実に答えられますか?うろ覚えな筆者といっしょに勉強しましょう♪
押さえておきたい「お歳暮の由来と意味」とは?
そもそもお歳暮って何なの?という方もいらっしゃるかもしれませんので、ここで「お歳暮」そのものの由来や定義、他の贈り物とのちがいについて確認してみましょう。
この手のマナーというのは、なかなか聞きづらい事でもありますし、親もうろ覚えということも少なくないので、正しい知識を身に着けておきましょうね。
■お歳暮の由来
Wikipediaによれば、お歳暮というのは「暮れに世話になった人に対し感謝するなどの歳暮周り(せいぼまわり)と呼ばれる年中行事が行われること」と説明されています。
つまりお歳暮は「今年1年、お世話になりました」という挨拶まわりの行動を指す言葉であるということになりますね。
■ お歳暮の意味とは
年末に、1年分のお世話になったお礼を感謝を込めて、お礼として差し出す品のことを「お歳暮」と呼びます。
お礼を述べる必要があるので、本来は「相手の家に持参する」のが原則です。
しかし最近では持参する例は少なくなり、宅配で済ませたりお礼も電話で述べるなどいろいろと省略されつつありますね。
■お歳暮とお中元の違いとは
正しくは「お歳暮もお中元も『お礼の品』」です。お中元は「夏に、『年始から半年分の感謝と夏の暑さを気遣って贈る品』」であり、お歳暮は「冬に、『1年の感謝を込めて贈る品』」という違いがあります。
そのため「お中元は涼をとれるもの」「お歳暮は家族で楽しめるもの」を贈り、「お中元よりお歳暮の方が価格が高い傾向」にあります。
■お歳暮とお年賀の違いとは
歳末とお年賀は半月程度しか違わないので、「お歳暮を贈ったらお年賀はどうしたらいいのか?」という疑問も浮かびますよね。
この2つは、『意味』を考えればおのずと答えが出ます。
「お歳暮は1年の感謝の品」であり、「お年賀は年始の挨拶に伺う際の手土産」なのです。
ですから訪問の予定がなければお年賀は不要ですし、年始に伺う予定がある場合はお歳暮を贈らず、お年賀の金額を割り増してもOKです。
知っておきたい「お歳暮のマナー」とは?
お歳暮は年中行事のひとつに数えられることも多いので、「マナー」も重要になります。
どんな人に、どんなものを、どのような形で贈ればよいのか、その時のやってはダメなことや気を付けなければならない事は何なのかを確認しておきましょう。
毎年の事なので、1度覚えてしまえばそれほど難しいことはありませんよ!
■お歳暮を贈る相手と贈ってはいけない相手
まず、誰に贈ればよいのか、というところから考えてみましょう。友人や仕事関係など幅広い人をイメージしますよね。
その中でも、「今後も継続してお付き合いがある人・お付き合いをして行きたい人」を選び出してみましょう。会社の上司や取引関係、自分や配偶者の両親などある程度絞れますよね。
議員さんや役所の職員、学校の先生など「公的立場」にある方に贈るお歳暮は「賄賂」とみなされて処罰の対象となることもあるため、贈ってはいけないとされています。
■ 関東と関西で異なるお歳暮の期間
お互い関東同士、関西同士であれば問題はないかもしれませんが、関東と関西でお歳暮を贈る場合は、若干ですがお歳暮の期間が違います。
ちなみに関西のお歳暮は12/10~12/20ごろ、関東では12/1~12/20ごろとなっています。年々早まる傾向にあり、早いと11月末ごろに届く、ということもあるようです。
■お歳暮を持参して直接伺う時のマナーとは
相手の家に伺うのですから、事前連絡をして「〇月〇日の何時頃」という約束をしておきましょうね。「いつでもいいよ」「いつも居るから」という言葉を鵜呑みにしてはいけません。
急きょ出かける予定が入ったり、訪問を受ける側もお迎えする準備がありますからね(笑)お歳暮にはサプライズは不要ですから、大人として恥ずかしくない振る舞いが要求されますよ。
■宅配便でお歳暮を贈る時のマナーとは
遠方など、直接持っていけない場合は宅配を利用して送ることになります。
その場合は配送途中で包装やのし紙が外れたり汚れたりしてしまわないよう、のし紙の上から更に包装をして贈るべきでしょう。
また、缶詰やビールなど日持ちのするものならともかく、生ものなど日持ちのしないものを贈る場合は事前に連絡し、「いつ、どのようなものが届くのか」をお知らせしておくことが必要です。
■相手側や自分が喪中の時のマナーとは
お歳暮お祝いごとではなくお礼ですから基本は喪中でも贈ります。ただし、双方とも忌明け(きあけ=49日過ぎ)前は控えることが原則となります。
赤白はおめでたい意味合いが含まれる色のため、喪中のお歳暮には赤白の水引や熨斗を付けないのが一般的です。
■お年賀・お中元・お歳暮は全部贈らなければいけないの?
「お歳暮だけ送る(お中元を贈らない)のは失礼にあたらない」のですが、「お中元だけ贈るのは失礼にあたる」ので気を付けましょう。
注意しなければならないのは「お中元・お歳暮は毎年贈る」ものであること。去年は贈ったけど今年は贈らないということは礼を欠く行為とされています。
ですから1度きりのばあいは「お礼」として贈ることをオススメしますし、よほど深い関係でなければ全部贈る必要はないですね。
失敗しないお歳暮に贈る品物の選び方とは
贈る相手はわかったけど、金額や品物は何を贈ったら良いのだろう、という新たな悩みがでてきたことでしょう。
相手との関係で金額の変動もあるので、ご夫婦などで相談し、納得の品を贈るようにしたいですね。
■品物の金額の目安
お歳暮の一般的な相場は3,000円~5,000円です。
目安としては、近所の親戚など、しょっちゅう行き来があってよくお世話になっているのであれば5,000円、遠方で年に数回程度のお付き合いであれば3,000円といった具合ですね。
今年はお世話になったからと金額を吊り上げるのはNG。来年以降もその金額で贈らなくてはならなくなりますし、あまり高額だと貰った相手も恐縮してしまいますよ。
■品物を選ぶ時に心がけたい「心配り」とは
モノが中心の現代になってしまいましたので、「金額ではない」という基本が忘れ去られているような気がします。
「モノに込められた『感謝の心(気持ち)』」を贈るのですから、家族構成や嗜好など「相手の事」を考えて品を選ぶべきです。
相手の最新情報を更新できない相手とは、お歳暮のやり取りは控えるべきですよ。
■避けた方が無難な品物とは
お歳暮に限ったことではありませんが、靴(相手を踏みつける意味がある)など「相手を蔑む意味合いのあるもの」は避けましょう。また大量の生ものや金券も避けるべきとされています。
生ものは保存が効かないため、大量に贈られると保存場所にも困りますし、消費しきれず捨ててしまうことにもなりかねません。
金券は使い勝手は良いですが、「相手の事を考えて」という配慮に欠ける印象を与えてしまいます。特に目上の方にはNGですので気を付けましょう。
お歳暮で使うのし紙とその書き方とは?
お歳暮には「のし紙」と呼ばれる、「水引・熨斗のついた掛紙」を付けて贈ります。
のし紙にもルールがあり、使い方を間違うと「常識を知らない人?」と思われてしまいます。そんな失敗をしないためにも、最低限のルールを知っておきましょう!
■「内のし」と「外のし」の違いとその使い方
のし紙は掛け方により「内のし」「外のし」という2種類の掛け方があります。
「内のし」はのし紙を掛けた上から包装することをいいます。主に宅配で贈る場合に用いられますが、「包みを開けるまで何の贈り物か分からない」という特徴があります。
「外のし」は品物のいちばん外側にのし紙が掛かるように包む方法で、主に持参する場合の品に用いられます。すぐにのし紙が見えるため、「相手に渡した時点で何の贈り物なのかがすぐわかる」という特徴があります。
■「のし紙」の種類とその表書き
「水引・熨斗つきで」「お歳暮用で」などという言い方でのし紙を頼む方が多いと思いますが、実はそれぞれに名前がちゃんとついているんです。
「水引つき・熨斗つき」の掛紙は「全のし」と呼びます。「水引つき・熨斗なし」の掛紙は「のし無し」です。また「水引なし・熨斗なし」は「白地(しろじ)」と呼びます。
表書き(上書き)とは「贈り物の用途」を表す場所で、一般的には「お歳暮」とします。
■喪中の場合の「のし紙」と表書き
喪中の方へのお歳暮は、忌明け(きあけ=49日過ぎ)であるかどうかが分かれ目になります。いずれの場合も、のし紙は「白地」または「奉書紙」、もしくは「短冊」を使いましょう。赤白の水引や熨斗は使わないのが鉄則です。
忌明け後であれば「お歳暮」として通常通り贈ります。
忌明け前であれば「寒中見舞い」として『忌明け後に』贈ります。
知っていますか「お歳暮をいただいた時のお礼のマナー」とは?
日本人たるもの、貰い物をしたら「ありがとう」の一言だけでは済ませないのが基本ですよね(笑)
お礼状など、日本ならではの「気遣い」のマナーがあるのをご存知でしょうか。メールなどが日常化してきているからこそ大切にしたい「お礼のマナー」についてもみてみましょう。
■直接お歳暮を持参された時の応対マナーとは
事前に連絡をもらっていてお歳暮を持参された場合は必ずお部屋に通してから受け取ります。例外として連絡なしに訪問された場合は玄関先で受け取り、部屋に上げなくても失礼にはなりません。
お歳暮に対する返礼の品は不要です。その場では丁寧にお礼を述べ、後日お礼状を送ると良いでしょう。その際は、「美味しくいただいた」など貰った品に対する言葉を添えるのがオススメです。
■宅配便で届いた時のお礼のマナーとは
宅配で届いた場合、取り急ぎは相手に「届きました」の連絡を入れましょう。配送途中で事故などがあり、贈ったのに届いてないのでは?という心配をしているかもしれませんからね。
その後、品物を受け取ってから1週間程度を目安にお礼状をしたため、送りましょう。
■受け取れない「お歳暮」が届いた時のマナーとは
受け取れないお歳暮は、基本は『断り状』を送ってお断りします。「今回は受け取るが、次回からは辞退する」場合と「品物そのものを受け取れない」場合によってちょっとだけ対応が違いますので、両方みてみましょう。
「次回からは辞退する」場合、『今後はこのようなお気遣いは無用に願います』といった文面を添えて、いただいた品と同等程度の品とともに送ります。
「品物は受け取るが、次回からは辞退する」場合は、『今回は頂戴しますが、今後はお気遣いなさいませんようお願いいたします』という内容の断り状を送ります。
「品物そのものを受け取らない」場合、『お気持ちだけいただきます』『別便で返送させていただいた』という内容の断り状を送り、頂いた品は品物の上から更に包装して返送します。
お付き合いは無理なくできる範囲で
お歳暮などは贈り始めるのはとても簡単ですが、贈り止めるのは結構大変です。何年かごとに見直し、相手との関係が変わったときにやめるのがオススメです。
逆に、友人や近所の親戚など「今後も継続して深いお付き合いをしていきたい」という気持ちの表れとしてお歳暮を贈る人もでてきました。
使い方次第でお互いに良い関係が築けるきっかけにもなりますので、いろいろと吟味してみてくださいね♪