ツボを押さえた「開業祝い」とは？その贈り方の基本とNGな事柄を徹底解説

大切な方やお世話になっている方の開業の際には、素敵な品物や花を贈ってお祝いをしましょう。まずはお祝いを贈る際の注意点や、正しいマナーを知ることが大切です。おすすめの開業祝いの贈り物とあわせて、正しい開業祝いの仕方について詳しくご説明していきます！

開業することを聞いたけど、何をしていいかわからない…という方もいらっしゃると思います。そこで相手に喜ばれる開業祝いのルールと、気を付けたいNG行為についてご説明していきます。失礼のないようにお祝いしましょうね！

開業祝いに大切なことは、お祝いする気持ちを伝えることや、今後の事業の成功を応援することです。新たな門出を祝う豪華な花でお祝いの気持ちを表したり、これから新しい場所で役立ててもらえるような品物を贈ると喜ばれます。ただ形式的に贈り物をするのではなく、相手を想ってお祝いをすることが今後のお互いの関係にも繋がります。前途を祝し、気持ちをこめてお祝いをしましょう。

開業祝いでしてはいけないこと、失礼になってしまうことがあります。メッセージを添える際に気を付けたいことや、避けた方が良い品物などをご紹介します。

忌み言葉と言われ、お祝いのメッセージでは使用を避けたい言葉があります。特に開業の際には赤字や火事を連想させるような、赤いものをイメージする文字、文言は使わないようにしましょう。「赤」「火」「燃える」「灰」などはNGです。また「失う」「さびれる」「傾く」「倒れる」など、事業が傾くことを連想するような言葉も使わないようにします。

開業祝いには赤字や火事に繋がるものはNGです。また「踏みつける」マットレスも避けるようにしましょう。開業祝いだけではなく、お祝い事全般に当てはまることですが、弔事で使うことが多い「お茶」は贈らないようにしましょう。「もっと精進しなさい」という意味にとられてしまう筆記用具、「苦」や「死」を連想させる櫛もお祝いの品としては不向きです。

開業祝いを贈る時のマナーを抑えて、失礼のないようにお祝いする気持ちを伝えましょう。お祝いするのにふさわしくない日や、日によってお祝いを贈って良い時間、悪い時間などもあります。また使うことを避けたいお祝いの際の文言などもありますので、こちらで詳しく説明していきます。

開業祝いの相場は1万円～5万円と幅がありますが、贈る相手との関係性によって金額が異なってくるためです。たとえば友人・親しい知人に贈る場合は1万円、お世話になっている取引先でしたら3万円、親族からは3万円～5万円が平均的な金額です。

開業祝いを贈るタイミングとしては、その知らせを聞いたらすぐというのが1番です。開業の直前は忙しくなりますので、遅くとも開業の1週間前までにはお祝いを贈るようにしましょう。しかし、開業祝いとしてお花を贈る場合は別です。お花は開業の当日午前中に届けるようにしましょう。

開業祝いを贈る時は六曜に注意してください。六曜とは日時や方位などの吉凶を記す暦注の一つで、大安、先勝、友引、赤口、先負、仏滅の6種類があります。まず大安は何をするにも最良の日、仏滅は仏も滅するような大凶の日とされています。おめでたいことはできたら大安に、仏滅は避けるようにしましょう。

先勝は午前は吉ですが、午後2時から６時は凶です。友引は朝は吉で夕は大吉ですが、昼は凶とされています。赤口は良日ではないが、午前11時から午後1時の間にお祝い事をすませるようにと言われています。先負は午前が凶なので、吉となる午後がよいでしょう。

開院祝いに品物を贈る際にはのし紙をつけるようにしましょう。また、のし紙には紅白の蝶結びの水引をつけるようにします。蝶結びは結び直ることができるので、何度あっても良いお祝い事に用いられます。表書きは筆ペンや毛筆で「御祝」や「御開業御祝」と上段に書きます。下段には上段の文字より小さめに、贈り主の名前をフルネームで書いてください。

開業祝いにお花を贈るというケースは非常に多いです。お花にはのしはつけられませんが、立て札がのしの代わりになります。立札の選び方ですが、札の大きさは花の大きさによって変わりますので、そちらは花屋さんにおまかせしてください。そして木札などに「御開院御祝」と贈り主の名前や会社名を書いて、立てて贈ります。また省略する場合もありますが、立て札の場合は贈り先の名前を「〇〇様江」という風に書くこともできます。

開業祝いに贈るプレゼントや花束にメッセージを添えると、より一層気持ちが伝わります。これからの関係も良好に築けるよう、開業祝いを贈る際にはぜひ心を込めて、手書きのメッセージもつけるようにしてください。まず開業したことに対するお祝い、次に長年にわたる努力を称え、最後に今後の繁栄を願う言葉を記します。

開業祝いにおすすめの品物がありますのでご紹介します。またその品物が選ばれる理由や、贈る際の注意点もありますのであわせてご説明していきます。開業祝いにどんな種類のものを贈ったらいいか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

開業、開店、開院などのお祝いには胡蝶蘭を贈るというのが定番で、1番人気のあるお花です。見た目が豪華で品があり、他の花よりも、美しく咲いている期間が長いのがおすすめの理由です。また胡蝶蘭の花言葉は「幸福が飛んでくる」なので、これから新事業を始める当たって、幸せがくることを願うという意味を込めて贈られています。

胡蝶蘭は5本立ての大きいものですとスペースを必要とするので、贈り先の広さなどを考慮して選ぶようにしましょう。

豊かな緑に癒される観葉植物は、新しい場所にぜひ置きたいものとして開業祝いに人気の品物です。リラックス効果、調湿効果、空気をきれいにする効果まで期待できます。また水やりや手入れも難しくないのも人気の理由です。あまり大きいものや葉が広がっているものは場所をとりますので、開業した場所の広さや置けるスペースを考えて選ぶようにしましょう。

お祝い事の際には、おめでたいお酒で乾杯してもらいたいですね。赤ワインやスパークリングワイン、シャンパンなども開業祝いの贈り物としておすすめです。お酒を贈ってはいけない業種などのルールは特にありませんが、お酒を飲まない方や好きではない方には避けた方が良いでしょう。

開業した日付やメッセージを入れた時計やインテリアなども、開業祝いには人気の贈り物です。実用性もありつつ、新たな空間にマッチするインテリアはもらって嬉しいものです。またこれから使う掃除機や加湿器など電化製品もおすすめです。すでに新しい場所で用意してるケースもありますので、必要としているかどうか確かめてから贈るように注意しましょう。

何を必要としているか、もしかしたらこれは持っているかもしれないし、他の人が贈っているかも…と不安な時にはカタログギフトがおすすめです！相手が自由に欲しいものを選べますし、他とかぶることもありません。開業したばかりで忙しいと思いますので、旅行系のカタログギフトは避けるようにしましょう。

開業祝いにおすすめの贈り物をご紹介します。定番の胡蝶蘭から、新しい場所で役立つもの、門出を祝って乾杯するシャンパンなど人気のアイテムを厳選しました。お祝いする相手には何が1番喜ばれるか想像して、ぜひプレゼント選びの参考にしてください。

花や品物の他に、お祝いとしてお金を贈る場合があります。その際は祝儀袋にお金を入れて渡しますが、その正しいマナーはご存知でしょうか。祝儀袋に使われる水引や熨斗、お金を包む中包の書き方や祝儀袋の正しい折り方など、詳しくご説明していきます。

熨斗はそもそも「あわびのし」と言い、あわびをのして乾燥させたものです。不老長寿の薬として中国の秦では重宝されていたため、長寿の象徴としておめでたいことに用いられるようになりました。現在では簡略化され、細長く六角形に折りたたんだ色紙で代用したり、熨斗の紙に印刷されたりしています。

熨斗の紙や水引を熨斗だと勘違いする場合も多いようですが、熨斗は祝儀袋や熨斗紙の右上についているものを指しますので注意しましょう。贈る金額によって、熨斗の部分が印刷のもの、高くなると黄色い紙をあわびに見立て紅白の紙で包んだものなどを使用しています。

水引とは祝儀袋や熨斗紙の、包みを結びとめる飾り紐のことを言います。香典袋など弔事、仏事全般でも使用するものです。水引には色や本数によって意味があり、慶事には5本、7本、10本の紅白、または金銀の紐、弔事には2本、4本、6本の白黒や双銀、双白、黄白を用いることとなっています。紐の本数が多い方が、格式と金額が上となります。

お祝い事の種類によって結び方が変わりますので注意してください。出産祝いや長寿祝いなど、何度あっても嬉しい祝い事には何度も結び直せる「蝶結び」の水引ですが、結婚など再度繰り返してほしくない祝い事には、固く結ばれてほどけない「結び切り」を使います。

表書きを書く時は、楷書ではっきりと、丁寧に書くようにしましょう。また使用するペンは、黒墨の毛筆や筆ペンです。お祝い事の場合は、濃く太く書くことで「幸せが太く長く」と言う意味合いがあるからです。最近ではサインペン、フェルトぺンなどで書かれることも多いようですが、万年筆やボールペンなど細いペンは避けてください。

表書きの、水引より上部分には「御祝」「寿」「御開業御祝」などと書きます。下部分には、上段の文字よりやや小さめに、贈り主の名前をフルネームで書きます。夫婦連名の場合は夫の名前をフルネームで、その左横に妻の名前のみを記します。3名以下の連名の場合は3名ともフルネームで、4名以上の場合は代表者の名前だけを書きます。その左横に「外一同」と書き、別紙に全員の名前を書いて中包みに入れるようにします。

中包とは、お祝い金を包む奉書紙や封筒のことをいいます。その奉書紙や封筒にお金を包んでから祝儀袋に入れるようにします。市販の祝儀袋には折式の中包みや封筒式の中袋が付いていますので、そちらに包んだ上から祝儀袋で上包みします。ついていない場合や中包を自分で用意する場合は、半紙や奉書紙、または白無地の封筒にお金を中包として使用しましょう。

お祝い金は、中包と祝儀袋の表面にお札の表もくるよう揃えて入れましょう。お札の表というのは、肖像が描かれている面です。またお札の向きについては諸説ありますが、肖像のある側が上にくるように包むようにするというのが一般的となっています。またお祝い金として包むお札は、銀行などで新札を用意するようにしましょう。

中包の表面には、包んだ金額を「金〇萬圓」というふうに記します。数字は漢数字を用いて、筆ペンなどを使って濃くはっきりと書いてください。漢数字は一は壱、二は弐、三は参、五は伍、十は拾と旧字体で書きます。また万は萬、円は圓ですが、現在使用している「円」でもOKです。裏面の左下には贈り主の住所と名前を書きます。

祝儀袋の正しい折り方ですが、まず祝儀袋の裏を上にして、その中央に中包を置きます。縦3等分くらいになるよう左側から先に折り、次に右側を折ります。そして祝儀袋の上と下を折り返し、上の折り返した部分に下の折り返しを重ねます。下側が上にくることで、「嬉しいことは受け止める」という意味になります。重ね方を逆にすると「不祝儀袋」になってしまうので注意してください！

これまでどれだけの努力や苦労があって、今日の開業という日を迎えられたのでしょう。開業祝いは、今までの道のりや頑張りを労い、これからの活躍を祈る気持ちでお祝いしたいですね。マナーを守って失礼のないように、今後の活躍を心から激励しましょう！