長寿の秘訣ってなんだろう?
長寿社会となった日本。元気で生き生きとした年齢を重ねている人には、誰しも憧れますよね。そんな「元気で長生き」の秘訣とは、どんなところにあるのでしょうか?
長寿とは?
日本が長寿社会となったのは、戦後の高度成長期を経た後から。時代とともに「長寿」の定義や考え方も、変わってきました。
■一般的には80歳を超えたら長寿の仲間入り♪
国際保健機構(WHO)の定義では、高齢者とは65歳以上の人を指します。しかしながら、長寿社会の日本では、60代・70代になっても驚くほど若々しい人が多いですよね。そんな日本では、一般的に長寿というと80歳を超えてから言ってよいでしょう。
■長寿祝いは「還暦」から
長寿のお祝いというと、満60歳を祝う「還暦」からスタートします。元々は中国から伝わった風習ですが、古来から日本に伝わり、今に至るまで広く根付いています。
還暦とは暦が一巡するという意味で、生まれた年に戻る=新たに人生のスタートを切るという意味合いも含まれています。従って、単に長寿のお祝いというより、人生の節目と考えるべきかもしれません。
とはいえ、現代の日本では、60歳ではまだまだ現役の方が大半で「長寿」というイメージが湧かないというのが実情。本格的な長寿のお祝いというと、数え年70歳を祝う「古希」からと考える人も多いようです。
■日本は世界に誇れる長寿の国
世界保健機関(WHO)の統計によると、2015年の日本人の平均寿命は、83.7歳で世界首位でした。日本は統計でさかのぼれることができる20年以上前から、主位の座を守り続けています。まさに世界に冠たる長寿国と言えますね。
健康寿命って知ってる?
長寿社会の目安と言えば平均寿命ですが、最近注目されてるのは健康寿命。長生きだけではなく、健康で自立した生活を続けることに軸足が置かれつつあります。
■身心ともに自立し健康的な生活を送れる期間
健康寿命とは、健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間のことを指します。単に長寿を目指すというより、元気で長生きを目指そう!という考え方に基づいています。
■自分らしく輝いている時間
誰しもいつかは、医療や介護の手を借りる必要がでてくるのは仕方のないこと。でも自立した生活を1日でも長く続けることは、自分らしい暮らしにつながります。長寿が当たり前になった現代、健康寿命を長く保つことが次のステップとなるのです、
■平均寿命と健康寿命の差を埋めることが大切
厚生労働省によると、平均寿命と健康寿命には、男性で約9年、女性で約13年の差があるとのこと。多くの人が最期まで元気なら、この差はどんどん縮まっていきます。平均寿命と健康寿命の差を埋めていくことが、これからの日本では大切になっていきます。
こんな生活には要注意!長寿を遠ざけてしまうかも?
長寿は毎日の生活の積み重ねがあってこそ。ついついやってしまう生活習慣の中に、健康を損なう要因が隠れています。
■お酒の飲み過ぎ
お酒は「百薬の長」などと言われますが、それも適量を過ぎてしまえば、体にとって毒にしかなりません。そもそもアルコールは人体にとっては悪玉物質。摂りすぎれば体に負担がかかり、長寿から遠ざかってしまう要因になりえます。
■極端なマイナス思考
「病は気から」とはよく言ったもので、極端なマイナス思考は、心身の健康を損ね、長寿を遠ざける要因になりえます。
マイナス思考に陥る原因は様々ですが、完璧主義、周囲の人に配慮しすぎる、先のことを考えすぎるなどの傾向がある人は、ちょっと意識して肩の力を抜いた方が良いかも。少し意識を変えるだけでも、目先が変わるかもしれません。
■喫煙
タバコが健康に良くないことは、広く知られています。長寿を目指す人には、全くメリットなし!と言えますが、実際どの程度影響があるのでしょうか?
日本におけるデータ比較では、20歳未満で喫煙を開始した人と、非喫煙者の余命を比較したところ8~10歳ほど差が出ています。また、女性の平均余命が長いのは、男性より喫煙率が低いことが一因ではないかと言われています。
長年喫煙しているからと言って、あきらめる必要はありません。若いうちに禁煙をスタートするに越したことはありませんが、どの時点から始めても、余命を延ばせる可能性があります。
■慢性的な運動不足
近年、様々な統計で明らかになっているのが、運動量と長寿の関係。運動習慣のある人と、全くない人では、総死亡率や成人病の罹患率に差が出るという調査結果が複数確認されています。
■偏った食事
様々な生活習慣の中でも、健康と長寿に直結するのは、なんといっても食事でしょう。ワシントン大学健康指標評価研究所(IHME)による研究では、健康寿命を縮める要因のトップに「不健康な食生活」が挙がっています。
長寿の秘訣を5つ紹介♪
健康寿命をのばし、長寿を目指すには、どのような秘訣があるのでしょうか?広く知られている5つのポイントをご紹介します。
■魚と野菜を中心とした食卓♪
健康寿命を縮める一番の要因が、不健康な食生活と言われています。ならば健康的な食生活を保つことが、長寿への一番の近道。バランスのとれた食事は、健康維持の基本です。
主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物をバランスよくとりましょう。特に魚と野菜を中心とした和食は、健康維持の面で優れていると言われています。
■ストレスをため込まない
現代社会では、ストレスを完全にシャットアウトするのは、非現実的。軽度のストレスであれば、むしろ心と体の活性化を促すので、何ら問題ありません。
問題になるのは、ストレスのためすぎです。過度のストレスは、自律神経失調や、内臓の機能低下、体の恒常機能の乱れなど、様々な弊害を引き起こす可能性があります。ストレスの上手につきあうことが長寿の秘訣と言えるでしょう。
■「笑う」生活を心がける
「笑う門には福来る」と古くから言われていますが、最近の研究では笑顔がもたらす健康や長寿への影響が実証されつつあります。
笑うことにより分泌されるホルモンには、鎮痛効果や老化防止を高める効果があるとのこと。また、別の研究では、満面の笑みを習慣的に浮かべている人は、そうでない人よりも長生きであるという統計結果もあるそうです。至ってシンプルな健康法ですから、試してみては?
■お酒は適量なら〇
適度な飲酒はリラックス効果を高めることから、適量であれば、長寿につながると言われています。では、適量とはどの程度を指すのでしょうか?
体質的に全く飲めない人は別ですが、アルコール量でだいたい12グラム程度と言われています。目安では、それぞれのアルコールの種類で使われる標準的なグラス、例えばワインならワイングラス1杯程度と考えると分かりやすいです。
お酒はまさに「たしなむ程度」が一番体に良いということでしょう。
■適度な運動を取り入れる
適度な運動が長寿をもたらすということは、数々の研究データでも実証されています。とはいえ、運動量が多すぎると却って心臓病などのリスクを高めるとの結果も出ています。何事も「やりすぎは禁物」ということでしょう。
それでは「適度な運動」とはどの程度がよいのでしょうか。最近の研究結果で推奨されている一つの目安が週150分程度、そのうち20分~30分は運動強度の高いものが望ましいというもの。また、別の目安では「ジョギングなら月120Km程度」というもの。
ご自身のライフスタイルに合わせて、取り入れてみると良いかもしれませんね。
長寿は人生最大の目標!
ライフスタイルや考え方が多様化した現代においても、長寿は多くの人にとって共通の人生の目標と言えるかと思います。健康に年齢を重ねていくためにも、日々の生活習慣を見直していきたいものですね。